
パレスチナ自治区ガザで戦闘が始まってから2年。この2年で6万7000人以上の命が奪われ、人口の4分の1にあたる50万人以上が「飢饉」の状態にあります。ガザで生まれた、もうすぐ2歳になる男の子は「戦争のない日常」を知りません。
【写真で見る】建物が立ち並んでいた街は瓦礫に…子どもが掲げる「Stop the war」
ミルクではなくお茶を飲まざるをえなかった双子 ガザ戦闘開始から2年7日もパレスチナ自治区ガザから上がる黒煙。ガザ戦闘開始から2年が経ちました。
建物が立ち並んでいた街は瓦礫となり、これまでに6万7173人の命が奪われました。うち、子どもの死者は2万179人です。単純計算で、一日の死者は92人。15分に1人が犠牲となっているのです。
母親に抱っこされた双子の男の子は、11月2日に2歳の誕生日を迎えます。2人は「戦争のない日常」をまだ知りません。
双子の母親 イマンさん
「栄養失調も生活環境もひどいです。この子たちは歩ける年ごろですが、1人はほとんど歩けず、もう1人は全く歩けません」
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“授乳が必要だった時期にミルクが手に入らなかった”と話すイマンさん。良くないと思いながらも、お茶を飲ませざるをえなかったそうです。
人口の4分の1にあたる、50万人以上が「飢饉」状態にあるガザ。5歳未満の10人に1人は「急性栄養不良」で、命に危険が迫っているといいます。
しかし、イスラエルは食料などの支援物資を制限していて、国際社会は空から落とし、支援物資を届けています。
「恒久的な停戦」を求め続けてきたパレスチナ。
パレスチナ マンスール国連大使(5月)
「耐えられない...どうしてこんなことができるんだ」
「パレスチナで起きている現実を前に、心ある人間なら何もしないでいられるはずがない」
しかし、停戦が実現することはなく、犠牲だけが増え続けました。命は落とさずとも、腕や脚の切断など、“人生を一変させるけがを負った”人の数は約4万2000人に上り、4分の1が子どもです。
この戦闘は、2023年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲し、約250人を人質として連れ去ったことで始まりました。生存が確認されている人質は、約20人とみられています。
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知り合いが人質
「私たちには2人の人質がいます。うまく交渉が進み、彼らがすぐに家族と私たちの元に戻ってくることを願っています」
エジプトでは、イスラエルとハマスの間接協議が始まり、中東アルジャジーラは関係者の話として、「前向きな雰囲気で行われた」と報じています。
ただ、ハマスはアメリカが提示した和平計画について、人質解放には応じる意向を示していますが、武装解除は明らかにしておらず、協議は難航する可能性があります。
戦闘の終わりが見えないガザでも、1月からの半年間で1万7000人の新たな命が生まれました。
戦禍の中で双子を出産したイマンさんが願った未来は…
子の母親 イマンさん
「子どもたちが成長して、公園のブランコで遊んだり、学校に行けるようになってほしい」
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