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「私の力不足が一番だと思いますね。この総裁選で支えてくれたチームは本当に力強く、これ以上求めることはありません。それでも勝てなかったのは、ひとえに私が足りないものが多かった」
吹っ切れたような笑顔でこう述べたのは、小泉進次郎農相(44)。10月4日投開票の自民党総裁選挙で高市早苗前経済安保担当相(64)に敗れ、直後に応じたメディアのインタビューで“敗因は自らに責任がある”と説明した。
報道各社の事前調査では、候補者5名のなかで小泉氏が国会議員票をリードするなど当選が有力視されていた。しかし1回目の投票では、国会議員票を候補者のなかで最も多い80票獲得したものの、党員・党友票を119票獲得した高市早苗候補(64)がトップに。2位に沈んだ小泉氏は決選投票で高市氏と競い合ったが、国会議員票、地方票ともに高市氏が上回る結果となった。
「保守的なスタンスを持つ高市氏の勝因には、党内で唯一派閥を率いる麻生太郎氏(85)の動向が影響したと見られています。麻生氏は派閥議員に対して、1回目の投票で茂木敏充氏(70)と小林鷹之氏(50)にそれぞれ投票するよう指示したといいます。続く決選投票では“党員票の多い候補を支持するように”と号令をかけ、麻生氏から恩を売られた茂木氏と小林氏も高市氏に投票。結果的に、麻生氏の戦略が高市氏の勝利をアシストしたかたちとなりました」(全国紙政治部記者)
麻生派の影響が色濃く出た総裁選となったが、投開票日の前夜に小泉氏の陣営が見せていた“気の緩み”が顰蹙を買っている。
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5日の朝日新聞によれば、勝利を確信していた小泉氏の陣営メンバーは、3日夜に東京・赤坂の衆院議員宿舎の一室で“祝勝会”を開催。他陣営の幹部が眉をひそめる騒ぎだったという。
さらに、この報道を裏付けるような証言も。国民民主党の玉木雄一郎代表(56)は6日に生出演した『プライムニュース』(BSフジ)で、小泉氏についてこう明かしていたのだ。
「私、赤坂宿舎に住んでるんですけど。先週ぐらいだと、小泉さんの陣営の人が結構夜に、宿舎で打ち合わせをしてたんですけど。なんかちょっとこう祝勝会じゃないけど、笑い声も聞こえてくるし。やっぱ選挙って、私が思ったのは緩んだ方が負けだと思いましたね」
その上で「最後まで諦めずに粘り強く、高市さん自身もやっていたと思います」と語り、小泉氏との“差”に言及していた。
小泉氏の陣営が“祝勝会”を開いていたという情報に、ネットやXでも厳しい声が噴出している。
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《浮かれてると足元掬われるの典型。だから負けるんだよ!笑》
《これマジだったら、取り巻き連中は能天気すぎる。国の運営なんかに携わらないでほしい》
《能天気な方達ですね。いずれにしろ、普通、結果も出ていないのに祝勝会なんてしませんね。普通じゃないですね》
「玉木氏によれば、高市氏はほとんどの衆参両議員に電話をかけて自身への投票を呼びかけていたそうです。一部メディアでも高市氏が3日夜に、議員宿舎にこもって議員票を少しでも多く獲得すべく電話をかけていたことを報じています。投開票当日の4日正午に都内で開かれた決起大会でも、『ギリギリまで私、まだまだ電話かけいたします』と意気込んでいました。
いっぽう小泉氏は3日午後に麻生氏との会談で直接支援を求めたそうですが、高市氏ほど必死に投票を呼びかけるといった動きは聞こえてきませんでした。さまざまなメディアで小泉氏が他候補者より優勢であると報じられてきましたが、小泉氏の陣営にあぐらをかく余裕はなかったはずです」(前出・全国紙記者)
というのも、小泉氏の陣営では総裁選をめぐる不祥事が取り沙汰されていた。
まず、「週刊文春」の報道をきっかけに、陣営で広報班長を務めていた牧島かれん元デジタル相(48)の事務所が陣営関係者に対して、小泉氏を讃えるコメントを配信動画に書き込むよう指示していたことが判明。さらに小泉氏の地元・神奈川県で高市氏を支持する自民党員が離党させられた疑惑も、同誌の電子版で報じられることに。小泉氏は離党疑惑報道に対してXを通じて抗議したが、国民からはいっそう冷ややかな視線が注がれていた。
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前出の全国紙記者は続ける。
「総裁選では1回目の投票で小泉氏が国会議員票を一番多く獲得しましたが、小泉氏自身が見積もっていた得票数よりも少なかったのではないかと見る有識者もいます。また、党員・党友票が高市氏に最も多く入っていたことも、小泉氏にとってはショックだったのでしょう。
総裁選の開始直後は余裕のある笑みを浮かべていた小泉氏ですが、決選投票前の演説ではぎこちない振る舞いが注目を集めることに。決選投票が行われている間には、表情がみるみる険しくなる様子がNHKの中継でクローズアップされていました。
小泉氏の敗因には、“ステマ指示”など陣営による失態も指摘されています。しかし陣営のメンバーたちが“私たちの失態は総裁選に影響しない”と判断し、“祝勝会”まで開いていたとすれば、かなり能天気だと言わざるを得ないでしょう」
7日の記者会見では、新総裁に就任した高市氏から農相の続投を要請されなかったと明かしていた小泉氏。新体制の党内でどのように振る舞うのか、今後も注視されそうだ。
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