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東急は10月7日、田園都市線・梶が谷駅構内で5日深夜に発生した列車の接触・脱線事故について、信号システムに設定ミスがあり、ATC(自動列車制御装置)が正常に作動しなかったことが原因とみられると明らかにした。設定ミスは2015年の更新時から約10年間にわたって見過ごされていた。
事故は5日午後11時4分ごろ、中央林間発渋谷行きの普通列車が上り線ホームに進入しようとした際、引き込み線上で停止していた回送列車と接触し、回送列車の最後尾が脱線したもの。乗客と双方の運転士にけがはなかった。
東急によると、事故当時、進入しようとした列車側の信号は進行可能を示す青を表示していたが、信号や分岐器を制御する「連動装置」の設定に誤りがあり、進路上に別の列車がいても信号が赤に切り替わらない状態となっていたという。これにより、ATCが正常に作動せずに青信号を伝えたことで、列車同士の衝突に至ったとみられる。
連動装置は2015年3月、梶が谷駅の線路改修の際にプログラムの条件設定を更新していたもので、今回の事故で不備が判明した。過去に同様の事故やトラブルは確認されておらず、東急は設定ミスの原因については現在も調査中としている。
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事故を受け、東急は当面の措置として、当該分岐器の使用を当面停止とした。信号プログラムの改修を行った上で、9日には引き込み線の使用を再開する見込みだ。
同社によると、同様のY字型構造を持つ駅は他に3カ所あり、いずれも連動装置のプログラム設定に問題はなかったという。また、同型の連動装置を設置している約30カ所についても点検を進めているとしている。
事故の影響で田園都市線は5日に14本、翌6日の1093本を運休し、2日間で計65万2100人に影響が出た。7日午前0時には全線で運転を再開した。
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