自民党の高市早苗総裁=7日、同党本部 【ロンドン時事】8日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、日本の次期首相就任が有力視される自民党の高市早苗総裁について、故安倍晋三元首相の経済成長戦略「アベノミクス」を継承せず、女性活躍支援などの独自政策「タカノミクス」に取り組むべきだと訴えた。
高市氏は安倍氏が第2次政権で推進したアベノミクス路線を引き継ぐとの見方が出ている。ただFTは、当時と比べて自民党は衆参両院で過半数を持たないと指摘。高市氏が国会で政策の合意形成を得るため、野党が求める現金給付や減税になびきやすくなるリスクに懸念を示した。
債券市場では高市氏が積極財政派と受け止められ、日本の長期金利が上昇している。FTは日本の財政持続性が不安視されているとして、高市氏は財政支援の対象を「最も苦境にある層と最も生産的な分野に限ることが賢明だ」と主張した。
労働市場の活性化を掲げたアベノミクスが達成できていない女性の活躍を後押しすることも提案。人口減少社会を踏まえた外国人労働者受け入れ拡大の検討が必要としつつ、高市氏が移民増加や大量の外国人観光客に厳しい意見を持っているとして、再考を促した。