摘発後も東南アジア複数回渡航=指示役の中国人夫婦―カンボジア拠点詐欺

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2025年10月09日 15:01  時事通信社

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時事通信社

カンボジア拠点詐欺事件で、送検される王少凡容疑者(中央)=9日午前、愛知県小牧市の県警小牧署(一部、画像処理してあります)
 カンボジア北西部の町ポイペトを拠点とした特殊詐欺事件で、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで逮捕された指示役の一員とみられる中国籍の王少凡(33)、妻のスン・ジアシュエン(22)両容疑者が、拠点摘発後も日本から東南アジアに複数回渡航していたことが9日、愛知県警への取材で分かった。

 詐欺拠点はポイペト以外にも存在していた疑いが浮上しており、県警は両容疑者の渡航目的などを調べている。

 県警組織犯罪特別捜査課によると、ポイペトの拠点は5月27日、現地警察当局に摘発され、日本人のかけ子29人が身柄を拘束された。王容疑者ら夫妻は拠点に出入りし、日本語通訳を務めるなどかけ子とも面識があったが、摘発を逃れ、同29日には日本に戻っていた。

 2人はその後も日本からタイなど東南アジアにたびたび渡航。王容疑者は今月7日、韓国経由でカンボジアへ出国しようとして成田空港に現れたところを愛知県警の捜査員に確保された。スン容疑者は埼玉県川口市の自宅近くで逮捕された。

 一連の事件では、被害者の一人が拠点摘発の翌日以降も「これまで対応した警察官が忙しくなったので引き継ぐ」と電話を受け、送金を要求されたことが判明している。被害者情報などを共有する系列拠点が他にもあったとみられ、県警は王容疑者らが複数の詐欺拠点に出入りしていたとみて解明を進めている。 

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