アキュラ・メイヤー・シャンク・レーシングの93号車アキュラARX-06 2025年IMSA第11戦プチ・ル・マン トリスタン・ボーティエは、今週末のモチュール・プチ・ル・マンへの招集の一環として、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権におけるアキュラのGTPマニュファクチャラーズタイトル獲得を支援することが自身の優先事項であると述べている。
このフランス人ドライバーは、この北米シリーズにフル参戦しているニック・イエローリーとレンガー・バン・デル・ザンデのデュオに加わり、93号車アキュラARX-06のサードドライバーとして、今シーズン3度目のウェザーテック選手権出場を果たす予定だ。
ボーティエは、当初アレックス・パロウが務めると予想されていたシートを引き継いでいる。このスペイン人ドライバーは今週、マクラーレンとの契約紛争をめぐり、イギリス高等裁判所に出廷している。
一方、ミシュラン・エンデュランス・カップの前回大会であるインディアナポリスでのシーズン第10戦で93号車アキュラをドライブ太田格之進も、全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦&第10戦富士と日程が重複したためロード・アトランタにその姿はない。
ボーティエはSportscar365に対し、バン・デル・ザンデと姉妹車60号車アキュラARX-06をドライブするトム・ブロンクビストとの「既存の関係」が、彼がこのシートを獲得するうえで一役買ったと語った。
「ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのスパラウンドを終えてアメリカに戻る途中で、レンガー(・バン・デル・ザンデ)とマイク・シャンクの両方からメッセージを受け取った。そこで、何か起こっていると気づいた」とボーティエは述べた。
「僕はこのチームと仕事をしたことはなく、このクルマを運転したこともないが、一部のチームメンバー、とくにドライバーたちとは既存の関係があった」
「レンガーと僕はメルセデスAMGでチームメイトだったんだ。2016年にはスパ24時間で一緒に2位入賞を果たした。トム(・ブロンクビスト)はELMSでのチームメイトであり、この組織の重要な一部であるため、それらがすべて今回の話の実現に役立ったのだと思う」
「僕をこのポジションに置いてくれた関係者全員に感謝しているよ。レースを本当に楽しみにしているんだ」
アキュラは、GTPマニュファクチャラーズタイトルをめぐって依然として重要な争いの渦中にあり、チャンピオンシップリーダーのポルシェとわずか7ポイント差のランキング2位でウェザーテック選手権の最終戦に臨む。
ボーティエは、ミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタでの10時間耐久レースに臨むにあたり、自身の責任を充分に認識していると指摘し、アキュラがタイトル獲得の可能性を最大限に高めるために、93号車を良好な状態に保つことが「自分の仕事になるだろう」と付け加えた。
「それが電話で言われたことのひとつだった」と彼は述べた。「マイク(・シャンク)は、『おい、我々はマニュファクチャラーズタイトルを目指しているんだ。多くのものが懸かっているぞ』と伝えてきた」
「基本的に僕の役割は、クルマをフィールドに残し続け、トラブルを避け、そして肝心な時にニックとレンガーが良いチャンスを得るのに充分なポジションにクルマがあることを確実にすることになる」
「そうだろう? なぜなら、これはIMSAだ。とにかくそこに留まらなければならない。特にこのトラックでは多くのことが起こるだろう。それだけにトラブルに巻き込まれやすい」
「すべてをクリーンに保つのは、言うは易く行うは難しだ。だから、それが僕の仕事になる。言うまでもなく僕はそれを楽しみにしているよ」
今週末までにARX-06でわずかなテスト経験があったことを明らかにしたボーティエは、過去に他の2台のLMDhカーを運転した経験を持つ。
彼は今年の初めにデイトナ24時間レースとセブリング12時間レースでプロトン・コンペティションのポルシェ963を運転した一方、昨年はチップ・ガナッシ・レーシングの公式リザーブドライバーを務め、その役割の一環としてキャデラックVシリーズ.Rをテストした。
「これらのクルマは、GTとプロトタイプの中間のような感じがするが、ARX-06についてはDPiカー(LMDhの先代にあたるプロトタイプカー)にもっとも近いフィーリングを持っているように思う」とボーティエは説明した。
「明らかに重量は重く、ダウンフォースは少なく、パワーが増加しているなど異なる部分はあるが、これはもっともプロトタイプらしい感触のクルマだと言える」
[オートスポーツweb 2025年10月11日]