DeNA・伊勢大夢(写真:萩原孝弘) 真っ青に染まったCS初戦。見事な勝利を収めたDeNAのなかで、8回をビシッと締めた伊勢大夢のピッチングも大きなポイントとなった。
4−2とリードしながら、まだまだ予断を許さない8回。しかも巨人打線は1番から始まる怖い打順と対峙した伊勢大夢は、1番の丸佳浩を見逃し三振、キャベッジを空振り三振、泉口友汰を力ないサードフライに打ち取り、見事に仕事を果たして見せた。
お立ち台に上がった伊勢は「ケイが本当に良いピッチャーなので、ケイの後ってほんとに打たれやすいんですけど、集中してケイの分まで良いピッチングして試合をつなごうという思いでマウンド上がりました」と自嘲気味に第一声。好投の秘訣は「ゾーン内でまっすぐ勝負できたことですね」と胸を張りつつ「あとマウンドで投げながらケイよくこれで抑えてたなと思いながらマウンド上がってました」と泥濘む悪条件に絡め、いつもの“伊勢節”で場内を沸かせた。
小杉陽太投手コーチは「巨人打線との相性を見て、森原の方が相性がいい打者が多いところで打順の並びとかを見て、8回、9回マッチアップを見ていくよっていうのは監督の方から2人には伝えてもらっていた」とシーズン中は抑えに回っていた伊勢を8回、森原康平を9回に配置した経緯を説明。
試合前は「今日の練習中まで、あまりしっくり来ないって本人は言ってたんですけど、急に何かヒントが舞い降りてくる子なので。それは去年、今年を見ててもずっとそうでした。変に自分にプレッシャーかけずに、今年1年頑張ってきたんだからって言ってました」とリラックスを心がけ、その通りの好投をしてくれたと労った。
三浦監督も「5点取られたでしょ。後から本人もすいませんって言いながらね、もうないですって言って、その後の練習の時も言ってました」と巨人との最終戦でまさかのピッチングをしたことに触れ苦笑い。ただし「今日はもう大丈夫です。どんなとこでも行きますっていうとこでね、きちんとね自分の投球をしてくれました。しっかりと攻めの投球ができていたと思います」と称えた。
幾多のピンチを切り抜け、チームを救い続けた伊勢大夢。ポストシーズンでも大明神の存在は欠かせない。
取材・文・写真:萩原孝弘