王国ブラジル相手に逆転弾を叩き込んだ上田綺世 [写真]=金田慎平 日本代表は14日、キリンチャレンジカップ2025でブラジル代表と対戦した。
日本代表はFIFAワールドカップ26アジア最終予選・グループCの戦いを首位で終え、8大会連続8度目のワールドカップ出場を決めた。以降、今年7月には国内組のみの編成で東アジアE-1サッカー選手権2025決勝大会で優勝し、続く9月シリーズではアメリカ合衆国へ遠征。FIFAワールドカップ26共催国のメキシコ代表とのゲームは0−0、アメリカ代表とのゲームは0−2で終え、未勝利が続いていた。
このような状況で迎えた10月シリーズの初陣では、パラグアイ代表と対戦。試合は先手を取られながら、小川航基の強烈なミドルシュートで試合を振り出しに戻す。後半に入って再び勝ち越されたが、後半アディショナルタイム、試合終盤に途中出場していた上田綺世が値千金の同点ゴールを奪い、2−2のドローで終えていた。
9月シリーズに続いて、10月シリーズも未勝利で終えることは避けたいが、南米勢との連戦2戦目では最大の壁が立ちはだかる。FIFAワールドカップで唯一、1930年の第1回大会から全大会に参加しているブラジル代表は、歴代最多の5度の優勝を誇る。FIFAワールドカップ26南米予選では苦戦を強いられながら、最終的には5位に入り、23大会連続23回目の本大会出場を決めている。今回の10月シリーズでは、10日に国際親善試合で韓国代表を5−0で粉砕。勢いに乗って、アジア遠征2連勝を狙う。
両者の過去の対戦成績は、日本代表から見て2分11敗となっており、国際Aマッチではブラジル代表に勝利したことがない。それどころか、FIFAコンフェデレーションズカップドイツ2005での対戦を2−2で終えて以降、6度の対戦で全敗している。
日本代表を率いる森保一監督は、“王国”との一戦に向けて、パラグアイ代表戦からスターティングメンバー4名を変更。新たに谷口彰悟、鎌田大地、久保建英、上田綺世を先発に送り出し、最大限の戦力を揃えた格好。一方、ブラジル代表のカルロ・アンチェロッティ監督は、韓国代表戦からスターティングメンバー8名を入れ替え。カゼミーロ、ルーカス・パケタ、ヴィニシウス・ジュニオールらがスタメンに入った。
試合は戦前の予想通り、序盤からブラジル代表がボールを握る構図。日本代表は「5−4−1」の布陣でミドルブロックを組み、自陣深い位置まで押し込まれても、中央を破らせることは許さない。結果として、両者ともにチャンスの数は限定されたまま、20分ほどが経過する。
日本代表にとって、この日最初の決定的なチャンスは22分に到来。敵陣右サイドでボールを受けた堂安律がドリブルで縦へ突破し、中央へ折り返すと、ニアサドへ飛び込んだ南野拓実がこのボールを拾う。南野はシュート性のボールを入れると、ファーサイドへ飛び込んだ上田が体を投げ出して左足で触るが、シュートは枠を捉えられなかった。
徐々に試合に動きが出てきた中、26分には均衡が破れる。ブラジル代表が日本代表を敵陣まで押し込んでボールを繋ぐと、パケタとのパス交換で日本代表の守備陣を引き出し、ブルーノ・ギマランイスが背後のスペースへスルーパス。大外から走り込んできたパウロ・エンリケが右足アウトサイドで難なくゴールネットを揺らし、ブラジル代表が先手を取った。
このゴールで勢いに乗ったブラジル代表は続く32分、カルロス・アウグスト、ヴィニシウスと繋いで、ペナルティエリア手前で前を向いたルーカス・パケタが浮き球のスルーパスを供給。うまく抜け出したガブリエウ・マルティネッリが、左足で流し込み、ブラジル代表が追加点を奪った。
まず1点を返したい日本代表は40分、ペナルティエリア手前で前を向いた堂安が積極的にミドルシュートを放ったが、ゴールを脅かすことはできず、前半はブラジル代表の2点リードで終了した。
後半に入ると序盤の50分、堂安の突破から日本代表がチャンス構築。南野、鎌田が連続してシュートを放ったが、ブラジル代表のブロックに跳ね返され、得点とはならない。だが、直後の52分には、ブラジル代表の守備陣に生まれた隙を見逃さず、日本代表が遂に反撃の狼煙を上げる。最終ラインでボールを持ったファブリシオ・ブルーノのパスが乱れ、南野が敵陣ペナルティエリア内でボールを拾うと、強烈な右足シュートを突き刺す。日本代表が1点を返した。
さらにギアを上げたい日本代表は54分、状態が懸念された久保を下げ、伊東純也を投入。対するブラジル代表は57分、3枚の交代カードを切る。ギマランイス、ヴィニシウス、マルティネッリに代えて、ジョエリントン、ロドリゴ、マテウス・クーニャを送り出す。
両チーム選手を入れ替えた中、さらに勢いが増したのは日本代表だった。62分、右サイド大外の位置で前を向いた堂安が浮き球のボールを背後へ入れると、途中出場していた伊東が背後のスペースへ走り出す。ワントラップからファーサイドめがけて超正確なボールを蹴り込むと、フリーでボックス内へ入ってきた中村敬斗がダイレクトでボレーシュート。右足で放った一撃は、相手に当たってゴールに吸い込まれ、日本代表が試合を振り出しに戻した。
苦しい試合展開を強いられるブラジル代表は66分、カゼミーロからのロングパスでルイス・エンヒキが右サイドを抜け出し、マイナスへの折り返しに合わせたクーニャがゴールネットを揺らすが、ここはオフサイドの判定。ブラジルの攻撃を封じると、71分、日本代表にとって歓喜の瞬間が訪れる。
ペナルティエリア手前の位置でセカンドボールを拾った伊東がアーリークロスを上げると、ボックス内で高くジャンプした上田が強烈なヘディングシュートを放つも、ここは相手に当たってクロスバーに嫌われる。それでも、絶好調のストライカーはこのまま終わらせない。このプレーで獲得した左コーナーキックで、伊東が見事なボールを送ると、中央へ走り込んだ上田がドンピシャリのヘディングシュート。相手GKの正面だったものの、シュートの勢いが勝り、ボールはゴールラインを越える。遂に、日本代表が逆転に成功した。
終盤は負けるわけにいかないブラジル代表が攻撃を試みるが、日本代表もきっちりと守備陣形を固め、最後の最後で凌ぎ切る。試合はこのままタイムアップを迎え、ブラジル代表との国際Aマッチ14試合目にして、日本代表が歴史的勝利を成し遂げた。
日本代表の10月シリーズはブラジル代表戦をもって終了。次回の11月シリーズでは、14日に『豊田スタジアム』でキリンチャレンジカップ2025が控えているが、同試合の対戦相手は現時点で決まっていない。
【スコア】
日本代表 3−2 ブラジル代表
【得点者】
0−1 26分 パウロ・エンリケ(ブラジル代表)
0−2 32分 ガブリエウ・マルティネッリ(ブラジル代表)
1−2 52分 南野拓実(日本代表)
2−2 62分 中村敬斗(日本代表)
3−2 71分 上田綺世(日本代表)
【スターティングメンバー】
日本代表(3−4−2−1)
GK:鈴木彩艶
DF:渡辺剛、谷口彰悟、鈴木淳之介
MF:堂安律(85分 望月ヘンリー海輝)、佐野海舟、鎌田大地(85分 小川航基)、中村敬斗(74分 相馬勇紀);久保建英(54分 伊東純也)、南野拓実(74分 田中碧)
FW:上田綺世(74分 町野修斗)
ブラジル代表(4−3−3)
GK:ウーゴ・ソウザ
DF:パウロ・エンリケ、ファブリシオ・ブルーノ、ルーカス・ベラウド、カルロス・アウグスト(75分 カイオ・エンリケ)
MF:カゼミーロ、ルーカス・パケタ(75分 リチャーリソン)、ブルーノ・ギマランイス(57分 ジョエリントン)
FW:ルイス・エンヒキ(75分 エステヴァン)、ヴィニシウス・ジュニオール(57分 マテウス・クーニャ)、ガブリエウ・マルティネッリ(57分 ロドリゴ)
【ゴール動画】日本代表、ブラジル相手に歴史的逆転劇!
⚽️キリンチャレンジカップ2025🏆
サッカー王国相手に歴史的初勝利へ‼
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前半26分
サッカー王国ブラジルの華麗なパスワークで失点#エンヒッキ のゴール
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⚽️キリンチャレンジカップ2025🏆
サッカー王国相手に歴史的初勝利へ‼
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前半32分#ルーカス・パケタ の浮き球パスに
抜け出した #マルティネッリ がゴール
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⚽️キリンチャレンジカップ2025🏆
サッカー王国相手に歴史的初勝利へ‼
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後半7分
相手のミスを見逃さず #南野拓実 がゴール‼
1点差に迫る‼
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🇯🇵日本1−2ブラジル🇧🇷#テレビ朝日 系列地上波にて生中継📺⚡#JFA #サッカー日本代表#テレ朝サッカー #サッカー pic.twitter.com/7Mv5MENFnD— テレ朝サッカー (@tvasahi_soccer) October 14, 2025
⚽️キリンチャレンジカップ2025🏆
サッカー王国相手に歴史的初勝利へ‼
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後半17分#堂安律 と #伊東純也 と繋いで
最後は #中村敬斗 がゴールで同点‼
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⚽️キリンチャレンジカップ2025🏆
サッカー王国相手に歴史的初勝利へ‼
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後半26分#伊東純也 のコーナーキックに
最後は #上田綺世 がヘディングでゴール‼
ついに逆転‼
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🇯🇵日本3−2ブラジル🇧🇷#テレビ朝日 系列地上波にて生中継📺⚡#JFA #サッカー日本代表#テレ朝サッカー #サッカー pic.twitter.com/pJE837Rjpx— テレ朝サッカー (@tvasahi_soccer) October 14, 2025