現地紙が期待寄せる19歳左WGビルジリ [写真]=Getty Images スペイン紙『マルカ』は、最下位からの巻き返しを図るマジョルカにおいて、左ウイング(WG)ジャン・ビルジリが“キーマン”であると力説した。
ハゴバ・アラサテ政権2年目のシーズンが始まったなか、ラ・リーガ第8節終了時点で、1勝2分5敗の最下位に低迷するマジョルカ。このうち3試合が“3強”との対戦だった、と多少の擁護はできるものの、厳しいスタートダッシュと言わざるを得ないのも確かだ。加えて、MFダニ・ロドリゲスがアラサテ監督の起用法をめぐって、自身の公式SNSにて批判したことで生まれた軋轢も解消されておらず、不穏な空気が漂っている。
そんなマジョルカにおいて、スペイン紙『マルカ』は、この状況を打破する“希望”がジャン・ビルジリだと力説する。今夏にバルセロナBから加入した19歳は、第2節レアル・マドリード戦でデビューを飾ると、以降は左サイドでキレのあるドリブルを披露。第5節アトレティコ・マドリード戦では、FWヴェダト・ムリキの同点ゴールをアシストした。先月下旬から行われている、U−20ワールドカップにU−20スペイン代表として臨んだたため、ここ数試合は欠場していたものの、18日の第9節セビージャ戦から復帰する見込みであり、同大会でも高パフォーマンスを見せていたことで期待感があると見解を示した。
また『マルカ』は、まだ若く、トップレベルでの経験が少ないビルジリに、攻撃を牽引できるだけの能力があるかを疑問視する意見もあるとした上で、「ラ・リーガに復帰した2019−20シーズン、マジョルカがわずか18歳の日本人選手…タケ・クボに頼っていたことを思い出すのに、それほど昔にまで遡る必要はない」と指摘。当時指揮を取っていたビセンテ・モレノ監督のチームにおいて、「攻撃面で決定的な役割を果たした」とし、「ドリブル、優雅なフットワーク、そして素晴らしいキャラクターで、マジョルキニスタを魅了した。そのシーズン、35試合(うち23試合がスタメン)に出場したクボは、4得点4アシストでチーム2番目の貢献度を誇ったのだ」と久保建英の実績に触れつつ、年齢は“関係ない”ことを強調した。
そして、「ビセンテ・モレノは、クボを起用することに躊躇いはなかった」と胆力があったと振り返った同紙は、「ハゴバ・アラサテが勇気を持ち、恐れることなく、このカタルーニャ出身のウインガーを起用すべきであることは、誰の目にも明らかだ。たとえ彼が19歳で、リーガでの通算出場時間がわずか60分しかなくてもだ。降格圏に位置するチームは今、ゴール、大胆さ、そして冷静さを必要としている。ビルジリはその点で10点満点と言えるだろう。今こそ、彼の出番だ」とビルジリに大きな役割を任せられるのか、と現指揮官に発破をかけている。