

同僚は俺に冷たい視線を投げかける。「家でいったい何してるの?」「ふだん子どもにまったく関わってないの?」「奥さんの代わりにできたはずだよな?」次々と意見をぶつけてくる同僚に、俺はしどろもどろになってしまった。

俺はあらためてエミリに言ったことを思い返してみた。俺のことを許せないと思っていてもおかしくない……。そのときスマホの通知が鳴った。エミリのお母さんからだ。産後はしばらく、うちに手伝いに来てくれる話になっていた。

エミリとのやりとりを同僚にグチってみたが、期待していたようなリアクションは返ってこなかった。それどころか次々と質問されてしまう。いかに俺がダメなのかがどんどん明らかになっていき、次第にいたたまれなくなっていった。
同僚から指摘されたとおり、3人目を欲しがったのは俺の方だ。だからこそ妊娠しているエミリを、俺が最大限サポートしなくちゃいけなかったんだろう。俺が代わりに子どもたちの面倒を見たり、積極的に家事をしたりして手助けするべきだったのだ……。
エミリのお母さんは「エミリに無理をさせられないから、自分がすぐにでも手伝いに行く」と申し出てきた。エミリの実家からしてみれば俺は、娘に大変な思いをさせて虐げている、とんでもないヤツなのだろう。俺はそれに気づいて青ざめたのだった。
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