太平洋戦争中に強制連行された中国人元労働者の追悼式で、献花する孟憲法さん=19日午後、広島県安芸太田町 太平洋戦争中に強制連行され、広島で被爆した中国人元労働者らの追悼式が19日、広島県安芸太田町で開かれた。強制連行の歴史を継承する市民団体が主催。被爆80年の節目に「歴史の継承を続ける」として、平和と日中友好を願った。
市民団体によると、同町の安野発電所の建設現場では、西松組(現西松建設)の下で360人が働かされ、被爆死5人を含む29人が亡くなった。
同発電所近くで開かれた追悼式には、元労働者孟昭恩さん=2006年に83歳で死去=の三男、憲法さん(55)が中国河北省から参加。「父はこの地で大変な苦しみを受け、九死に一生を得た。歴史に正面から向き合い、戦争を起こさないよう最大の努力をしなければならない」と声を詰まらせた。

追悼式に先立ち、碑に刻まれた父・孟昭恩さんの名を指す憲法さん=19日午前、広島県安芸太田町