嵐のさなかに飼い主宅からイヌが逃げ出し、行方不明になる出来事がアメリカ・カリフォルニア州で起こりました。
2025年7月、カリフォルニア州北部で発生した激しい雷雨。シアラ・バブコックさんの愛犬、オピー(5歳、オス、コーギーとジャーマン・シェパードのミックス)は、雷の音に恐怖を感じ、パニックになって自宅から逃げ出してしまいました。
普段は雷の音を怖がってベッドの下に隠れるだけだったオピーですが、この時は嵐の中をどこかへ走っていってしまい、そのまま行方不明になってしまいます。
シアラさんは愛犬の行方を必死に探しました。カリフォルニア州内外の迷子犬情報を共有するオンライングループにも投稿を続け、情報提供を呼びかけました。
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ですが、あるとき入った情報によれば、オピーは地元のガソリンスタンドで目撃された後、誰かに拾われて、そのまま連れ去られてしまったとのこと……。そのことを知ったシアラさんは、ショックを受けました。
やがて進展がないまま数カ月が過ぎ、シアラさんも徐々に諦めの気持ちに……。オピーがもう家に戻ってこなくても、誰かに飼われて、愛されて、幸せな生活を送っていてくれればそれでいい……。そう願うようになりました。
ところが10月上旬。オピーが行方不明になってから90日以上が経過したころ、シアラさんのもとに新たな目撃情報が届きました。
情報の発信源はイリノイ州。シアラさんの自宅から、なんと2000マイル(約3220キロ)も遠方からでした。
オピーはイリノイ州シカゴ近郊で発見されました。シアラさんは最初、あまりにも遠い場所だったので、何かの間違いだと思いました。ですが、警察署と連絡を取るうちに、それが確かにオピーであることが確認されました。オピーはイリノイ州のデュページ郡動物保護局で保護されていました。
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奇跡の発見につながったのは、オピーが身に着けていたマイクロチップでした。警察署でオピーのマイクロチップが読み取られたことがきっかけで、再会がかなったのです。
オピーが見つかってから数日後、シアラさんは最速の便でイリノイ州へ向かい、約3カ月ぶりに愛犬との再会を果たしました。
保護局スタッフによると、オピーは数カ月も放置されたようには見えず、ふっくらとして清潔な状態だったそうです。おそらく、どこかで他の人に飼われていたのだろうとのことでした。
シアラさんは、オピーを迎えに到着した瞬間、元気に駆け寄ってきた愛犬に感動し、涙をこぼしました。オピーも、しっかりとシアラさんを覚えており、嬉しそうに飛び跳ね、甘えるように鳴いたといいます。この再会は、まさに奇跡そのものでした。
その後、オピーとシアラさんは自宅があるカリフォルニアまで車で帰ることを決意。道中、オピーに国立公園などの素晴らしい景色を見せてあげたいという心遣いからでした。
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今回の驚くべき再会を可能にしたのは、オピーに埋め込まれていたマイクロチップでした。
アメリカ動物病院協会によると、雷や嵐を怖がるイヌは多く、その原因はまだはっきりと解明されていないそうです。オピーのように、パニック状態で家を飛び出し迷子になってしまうイヌは少なくありません。そんな時に頼りになるのがマイクロチップです。
イリノイ州のデュページ郡動物保護局も、Facebookでこのように述べています。
「オピーがどのようにして2000マイルも離れた場所まで行ったのかは分かりませんが、確かなことがあります。マイクロチップは機能するのです。どんなに遠く離れていても、こうした再会を可能にしてくれるのです」
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