DeNAの新旧監督が“ダブル会見”に出席し、リーグVへの決意を口にした。三浦大輔監督(51)の退任会見と相川亮二新監督(49)の就任会見が20日、横浜市内の球団事務所で行われた。現役時代からバッテリーを組んできた2人。相川新監督は背番号81と三浦イズムを継承しつつ、バッテリーを中心とした“相川野球”の構想を明かした。チーム統括本部長を兼務する木村洋太社長(43)も同席した。
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かつてのバッテリーが、新旧監督としてDeNAの未来を形作る。三浦前監督は、4年間、監督とコーチという関係で協調してきた相川新監督へ「横で見てきた中で感じた部分や、自分だったらという思いを来シーズンからは遠慮なく、思い切って出してもらいたい」と、指揮権を託した。
かれこれ30年以上の付き合いになる。相川新監督が高卒でプロ入りした18歳から苦楽をともにした。04年アテネ五輪でもチームメート。三浦前監督が背負った背番号81とともに、5年間で積み重ねてきた三浦イズムも継承する。「(監督の)話を聞いたときは体が震えるというか、まさに武者震いするような全身に血が駆け巡る思いでした。三浦監督が作り上げてきたものをアップデートしていきたい」と覚悟を示した。
4年連続Aクラス入りのチームを引き継ぐ。リーグ優勝は最大で、唯一の目標だ。「小さいことを積み重ねて強いチームになれると思う。打線は今季もリーグ一の得点力というところで、バッテリーを中心とした投手力、ここが鍵になってくる」。捕手出身監督らしい“相川野球”に思いをはせた。
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「セイバーメトリクスの統計学は野球の中でかなり浸透していると思う。日本の野球にも素晴らしいところは数多くありますし、なんとかそこを融合できれば」。球団が掲げるデータや指標を重視したメジャー式野球と、自身の日本的野球観の融合を目指す。
三浦前監督は「周りにたくさんの仲間がいますし、たくさんのファンの方が背中を押してくれる。1人じゃないということを思いながら頑張って欲しい」と、勝負師の世界へ送り出した。相川新監督の覚悟は、決まっている。「4年間、優勝も日本一もできると思って戦ってきましたし、来年もそれは変わらない」。リーグ優勝へ、しっかりとバトンを受け取った。【小早川宗一郎】
◆相川亮二(あいかわ・りょうじ)1976年(昭51)7月11日、千葉県生まれ。東京学館から94年ドラフト5位で横浜入団。02年から正捕手に定着。08年オフにFAでヤクルト移籍。09、11年盗塁阻止率リーグ1位。14年オフに2度目のFA移籍で巨人入団。17年引退。通算1508試合、1150安打、69本塁打、475打点、打率2割6分。引退後は19年から巨人コーチ。22年にDeNAに復帰し、今年は1軍ディフェンスチーフ兼野手コーチ。04年アテネ五輪、06、13年WBC日本代表。183センチ、88キロ。右投げ右打ち。
○…来季からチーム統括本部長を兼務する木村社長が、相川新監督への期待を語った。過去を見ても異例といえる新旧監督の共同会見。背番号も含めた継承路線をアピールする狙いを明かし「三浦監督のやり方をリスペクトしながら、ご自身の色を出して、この街に悲願の優勝を届けてほしい」とメッセージを送った。三浦前監督の今後について、細かいポストは未定としながらも「引き続き三浦大輔さんは横浜の宝だと思っているので、今後も関わりを持たせてほしい」とした。
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