上司が良かれと思ってかけていた言葉が、部下の離職につながるかもしれない。一般社団法人「日本リスクコミュニケーション協会」(東京都港区)が、職場における上司の発言・言動がもたらすハラスメントリスクに関する調査を実施した。
悪意のない発言や言動で部下を傷つけたことはあるか聞いてみると、管理職の54.3%が「ない、または知らない」と回答した。一方、非管理職は「傷ついたことがある」が60.7%と、悪意のない指導の受け止め方にズレがあることが分かった。
●悪意のないフレーズ
部下の意見をまとめるために使うフレーズ「うちの会社はこういうものだから仕方ないよ」は、管理職の60.0%が使用していると回答。一方、非管理職はこのフレーズを言われて「納得できる」は10.4%にとどまり、「不快に感じている」が58.4%を占めた。
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納期のスケジュールを心配する部下に使う「なんとかなるよ、とにかくやってみて!」は、管理職の80.9%が使用し、非管理職は「いやな気持ちになる」が35.3%だった。
特に、20代・非管理職の48.3%が「いやな気持ちになる」と回答し、20代は曖昧・丸投げ型への不快感が強いことがうかがえる結果であった。
「みんながんばってるから君も頑張って!」については、管理職の67.8%が使用。非管理職では「やる気がでる」が24.3%、「いやな気持ちになる」が35.3%と、いやな気持ちを抱く割合が11ポイント高いことが分かった。
管理職の78.0%が使用する定番の「まず指示通りにやってみて」も同様だ。非管理職は「やる気が出る」が17.3%で、「いやな気持ちになる」が30.6%と、13.3ポイント高かった。
同協会は「使用頻度の高いフレーズほど不快反応が強いという傾向があり、20代で顕著な丸投げへの反発は、個人の資質だけではなく、企業全体で取り組む必要がある」とコメントした。
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調査は、10〜70代の289人を対象にインターネットで実施した。期間は、2025年10月。
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