画像提供:マイナビニュース昭和レトロブームの勢いを受け、フリマアプリやオークションサイトではラジカセの二次流通が盛況だ。かつては「もうテープもCDも使わない」と見向きもされなかった機器が、今や思わぬ高値で取引されているという。では、どんなラジカセが評価され、誰が買っているのか。
買取業の「買いクル」を運営する株式会社RCのCSO・島津大輔氏に、市場の"現在"を聞いた。
――中古のラジカセはいま、どのような用途・層に買われているのでしょうか?
需要の中心は"懐かしさ"を求める40〜50代以上の層です。若い頃に手が届かなかったモデルを手に入れたいという、コレクション需要が強いですね。
海外でも、中東や欧州、米国などで、80年代カルチャーを愛好するコレクターに支持されています。
――海外で日本製のラジカセが支持される理由は?
当時の日本製ラジカセは技術力と多機能性で群を抜いていました。精緻な作り、凝ったダイヤルやメーター、豊富なバンド対応などが高く評価されています。
日本製の電化製品に対し憧れを持っていた海外のコレクターが、「当時は入手できなかった日本製の高性能機」を買い求める傾向にあります。
――どのような機種やモデルが人気なのでしょうか?
ナショナル(現パナソニック)の「COUGAR(クーガー)」シリーズが特に人気です。アウトドア風・ミリタリー風の無骨なデザインが海外で評価されています。本体のみでも、2万円〜3万円前後、箱・取扱説明書・肩掛けベルトなどの付属品が付いている場合、5万〜6万円ほどの高値がつくケースもあります。当時の2倍ほどの価格になりますね。そのほか、RXシリーズも需要があります。
――状態や付属品はどの程度価格に影響しますか?
動作品であることが大前提となります。また、黄ばみやサビ、割れ、ダイヤルやスイッチの欠損などはマイナスになります。
さらに付属品の有無が大きく価格を左右します。箱、取扱説明書、肩掛けベルト、外部マイクなどが揃うと評価が一段上がります。
希少性とデザイン性で見直されている、当時のラジカセ。押し入れの一台が、思わぬ"お宝"になるかもしれない。まずは型番を確かめ、動作と付属をチェックしてみてほしい。
島津大輔 しまづだいすけ 株式会社RC CSO/フランチャイズ 本部責任者、SevenStarsIslands株式会社 SNS事業責任者、買いクル本部 中学・高校・大学 特別授業講師。2018年、出張買取サービス「買いクル」初期立ち上げメンバーとして株式会社RCに参画。買いクルフランチャイズ全国122拠点への展開・教育体制構築に貢献し、2024年から現職。外部の企業PR、新サービス開発コンサルティング事業にも携わり、事業開発と現場支援を両立。SNS講師として教育機関・自治体・企業研修で登壇実績多数。 この著者の記事一覧はこちら()