J:COMによる大学生の地域課題への取り組み支援プロジェクト、最終選考で各チームがそれぞれの活動をアピール

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2025年10月22日 11:20  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
J:COMは10月19日、「大学生と考えるSDGsアクション支援プロジェクト」の最終選考&表彰式を開催した。このプロジェクトは、J:COMが取り組む「持続可能な地域社会づくり」の活動の一環として、次世代のチャレンジ支援を行うもの。今年度で2回目の実施となる。



全国の大学生から“これから始めたい、もっと広めたい、地域課題の解決に取り組むアクション”を募集し、最終選考でベストアクションに選ばれたチームには、J:COMが総額100万円相当の支援を行う。選考基準は、地域課題の設定や解決方法に独自の視点やアイデアがあること、J:COMの支援により実現可能性が高まるもしくは活動の発展が見込まれること、J:COMのマテリアリティ(重要課題)と関連性があること、アクションおよび活動全体に継続性があることだ。


○最終選考には9チームが参加。ポスターセッションでアピール



アクションの募集は7月11日から行われており、最終選考にはオンラインプレゼンの一次選考を通過した9チーム18名が出席。ポスターセッションで各チームがアクションを審査員にプレゼンした。最終選考に参加した9チームそれぞれのアクションは以下のようなものだった。

学生団体つちむすび「耕すのは畑だけじゃない。地域のつながりも育てます。」



茨城県取手市内に広がる遊休農地を有効活用するアクション。栽培したひまわりのオイルで作った「ひまわりリップ」に加え、農業体験プログラムやソーシャルビジネスを創出する。

BIWAKONA「探究活動したい学生 企業課題マッチングサービス」



滋賀県守山市の地域企業と学生のマッチングプラットフォームを作成。課題を抱える企業と探究学習を行いたい学生をマッチングさせることで、地域課題の解決につなげる。

BAM部(早稲田大学ほか)「一日SDGs体験 みんなで創るBAMBOOカフェ」



埼玉県本庄市の放置竹林を使ってイベントを開催。竹あかり、箸やコップなどの竹食器の製作、竹炭ベーグルなどの竹食品の調理を通じて、放置竹林の環境問題を身近に感じてもらう。

ツナグリカルチャー(電気通信大学)「『人手不足に悩む農家』と『CSV経営を目指す企業』をWinWinの関係でつなぐ」



人手不足や後継者不足に悩む農家と、実績の見える社会貢献活動を行いたい企業をマッチング。農家が繁忙期の時に企業は労働力を提供し、企業の製品の広告枠を農家が支援する。

あかるくらぶ(一橋大学ほか)「エンタメごみ拾いで地域を明るくしよう!? ごみを掴み、つながりの糸を紡ぐ」



希薄化する国立市の地域コミュニティを、ごみ拾いイベントで解消。チームでポイントを競い合うことでエンタメ性を持たせ、景品や商品券を提供することで関係人口を増やす。

Pioneer of Paulownia(同志社大学)「日本の伝統文化を世界の富裕層に届け、文化継承と地域経済の活性化を同時に実現!」



岸和田市の伝統工芸品である桐箪笥。生活スタイルの変化などで需要が減少する桐箪笥を、海外の富裕層に向けて情報発信。英語ガイド付き工房見学ツアーなどを企画する。

温泉インカレ(立命館アジア太平洋大学、別府大学、別府溝部学園短期大学)「ジモ泉ピカピカ大作戦!学生の力で別府の共同温泉を未来へ」



日本有数の温泉地として有名な別府。若い世代の温泉利用者数減や、温泉の清掃人材の不足などの課題に向けて、別府市内の大学生が月に1ヵ所の目安で大掃除のお手伝いを行う。

がくんとるーは(電気通信大学)「いえぴた!〜空き家とあなたをぴたりとつなぐ未来のまちづくり〜」



高齢化に伴って空き家が増加する調布市。利用者の希望や性格、ライフスタイルなどからぴったりの空き家が探せる診断型マッチングアプリを開発。空き家の利活用を促進する。

OMOi(学習院大学)「OMOi BOX:地域の“推し”を贈るZINE定期便」



青森県むつ市のエシカル消費の促進のため、初回購入のみで止まっている顧客に向けて、想いを伝える冊子や試供品をひと箱に詰めて送付。2回目以降の買い物につなげてもらう。

9チームはポスターセッションでそれぞれのSDGsアクションをプレゼン。中には自分たちのアクションをより詳しく伝えるため、QRコードから試作アプリに誘導して説明を行う学生の姿もあった。学生の熱意のこもった説明に対して、審査員らはもちろん、他大学の学生たちも熱心に聞き入り、積極的に質問を行っていた。


○ゲスト審査員としてタレントの井上咲楽さんが参加



各チームのアクションを審査するのは、マーケティング・ビジネス視点の専門家である中央大学名誉教授 田中洋さん、アイデア・発想視点の専門家として多摩美術大学教授 佐藤達郎さん、地域課題視点の専門家としては、若者と地域の心地よい関係を研究する「ゆるさとLabo(小田急エージェンシー)」の増田光一郎さんと田中咲さん。



さらにゲスト審査員として、日々の暮らしの中でサステナビリティへの取り組みを実践するタレントの井上咲楽さんも参加。J:COMのサステナビリティ経営推進室のメンバーも審査に当たった。


○ベストアクションは岸和田の伝統工芸品を世界に届けるプロジェクト



表彰式では、学生投票特別賞・審査員特別賞・ベストアクションが発表された。



まず、参加した学生の投票で決定する学生投票特別賞に、Pioneer of Paulowniaの「日本の伝統文化を世界の富裕層に届け、文化継承と地域経済の活性化を同時に実現!」が選ばれた。


続いて審査員特別賞には、学生団体つちむすび「耕すのは畑だけじゃない。地域のつながりも育てます。」が選出された。遊休農地を利活用する取り組みとして、ひまわりを栽培してそのオイルで「ひまわりリップ」を開発、それが茨城県取手市のふるさと納税の返礼品として採用されているという実績が評価された。


そしてベストアクションは、学生投票特別賞を受賞したPioneer of Paulowniaがダブル受賞。岸和田市の桐箪笥という伝統工芸品を海外に広める活動は、伝統芸能や伝統文化の発展、継承に取り組むJ:COMの活動とも一致。新しいチャレンジとして一緒に取り組めるところが評価された。


受賞したPioneer of Paulowniaの新藤左智さんは、「今回、いろんな方々の視点を知りたくて、このプログラムに参加しました。まさか受賞できるとは思っていなくて、今、とても驚いています。私たちの活動をより広めるべく、今後も頑張ります」と喜びを伝えた。



プレゼンターを務めた井上咲楽さんは、「桐箪笥の存在は知っていましたが、正直、よくわからない印象でした。けれども彼女がすごく楽しそうに桐箪笥にブランドバッグを収納するという話や、金庫の役割をする桐箪笥の話をするのを聞いて、それを見てみたい、触ってみたいと思いました。海外の人が桐箪笥に興味を持っているということも初めて知って、海外の人にアプローチするという試みをワクワクしながら聞きました。素敵なアイデアを見させていただいてありがとうございました」と感想を語った。

○学生たちの地域課題の取り組みやその視点に刺激



最後に、審査員を代表して佐藤教授と田中名誉教授が審査講評を行った。



佐藤教授は、「いろんな切り口で学生の皆さんがSDGsに取り組んでいるのを聞いて、とても嬉しかったです。課題が解決していないということは、何か新しい視点が必要だということ。そんな視点がそれぞれのチームにあったと思っています。ただ、地域の課題解決に対して、その地域である必要があるのかなと疑問を抱いたチームもあったので、今後、プランニングをするのであれば、その地域ならではということをより意識していただくのが良いのではと思いました」とコメント。



一方、田中名誉教授は、「昨年からこのプロジェクトに審査員として協力させていただいておりますが、いつも驚かされるのがみなさんの地域を見る視点です。問題意識を持って、解決する手段を考えて、ポスターセッションという形でプレゼンいただいて、そういったプロセスだけでも世の中の役に立つと思います。こういった成果をJ:COMさんが世の中に伝えて、日本をさらに良くできればいいなと思います」と評した。


今回の「大学生と考えるSDGsアクション支援プロジェクト」の様子は、2026年3月に、コミュニティチャンネル「J:COMチャンネル」で放送予定。興味のある人はチャンネル登録しておこう。



綿谷禎子 わたたにさちこ 情報誌の編集部から編集プロダクションを経てフリーランスのライターに。現在は小学館発行のビジネス情報誌「DIME」を中心に、企業のオウンドメディアや情報サイトなどで幅広く執筆。生活情報サイト「All About」のガイドも務める。自称、キャッシュレスクイーン。スマホ決済や電子マネー、クレジットカード、ポイント、通信費節約などのジャンルのほか、趣味の文具や手帳の記事も手がける。 この著者の記事一覧はこちら(綿谷禎子)

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