限定公開( 12 )
共同通信などは10月23日、NECが2018年にキプロスの企業へ輸出した海底通信ケーブルが、ロシア軍によって軍事転用された疑いがあると報じた。核ミサイルを搭載した原子力潜水艦の防衛を目的に、北極圏バレンツ海の海中監視網「ハーモニー」に使用された可能性があるという。
報道によると、NECはロシア国防省と関係が深いとされるキプロス企業「モストレロ・コマーシャル」に対し、18年に全長750kmの海底ケーブルを販売したとしている。この事実は、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した関係文書に基づく、共同通信や米ワシントン・ポスト、南ドイツ新聞など計10社による共同取材で判明したという。NECは事実関係を認めている。
ロシアへの輸出が原則禁止とされたのは22年以降だが、海底ケーブルの場合は事情が異なり、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく「キャッチオール規制」に抵触する可能性がある。これは、兵器の開発や使用などへの転用が懸念される品目を輸出する場合に、経済産業大臣の許可が必要とされる制度で、輸出企業には用途や最終需要者の確認と、必要に応じた許可申請が求められる。
NECはこの報道を受け、声明を発表。「当該取引先から民生用途との説明を受け、輸出管理にかかわる各国の法令を確認した上で取引を行った」と説明している。22年のロシアによるウクライナ侵攻開始後は、当該取引先との取引を終了していると述べた。
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。