
パナソニック エンターテインメント&コミュニケーションは10月24日、ネットワークレコーダー「miyotto(ミヨット)」を発表した。HDMI端子を省き、Wi-Fi(または有線LAN)でスマートフォンやタブレット、スマートテレビのアプリと接続する製品だ。11月下旬に発売し、想定価格は5万5000円前後(税込み)。
●テレビに縛られない新しい視聴スタイル
従来のBlu-rayレコーダーはHDMIケーブルでテレビに直接つなぐ必要があった。miyottoはWi-Fi(または有線LAN)でネットワークにつなぎ、専用アプリ経由で見る。テレビの設置場所に縛られない。
リビングでFire TV Stickから番組を見ている間、寝室のスマホで別の録画番組を見られる。通勤中や出張先でもスマホから録画番組にアクセスできる。推し活をする人の79.5%が「出演番組を視聴する」を主な活動にしているそうだが、miyottoならTVerなどの見逃し配信と違い、配信期間の制限なく、CMスキップで効率的に見られる。
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●スマホアプリは「どこでもディーガ」ベースに改良
スマートフォン向けアプリは、同社の「どこでもディーガ」をベースに作った。iOS 16.6以降、Android 10.0以降で動く。どこでもディーガの操作性を引き継ぎ、設定画面を直した。
テレビなしでスマホやタブレットだけで初期設定できる。QRコードを読んで本体を選 べば設定完了。外出先からリモート視聴もでき、通勤中や出張先でも録画番組を見られる。宅外からは1機器だけアクセスできる。
●Fire TVやプロジェクターで大画面視聴も実現
miyottoの特徴は、Fire OSやAndroid TV向けに専用アプリを新規開発した点だ。Fire TV Stick(Fire OS 7以降)や、Android TV/Google TV(9.0以降)を積んだデバイスにアプリを入れれば、大画面で見られる。
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テレビ用アプリは、ネット動画サービスのようなサムネイル表示のUI(ユーザーインタフェース)を取り入れている。リモコン操作に合わせてあり、音声検索もできる。動画の読み込み時間は従来比で最大40%短くなった(テレビアプリのみ)。チャンネル切り替えもスムーズだ。
モバイルプロジェクター市場が7年で1.7倍に伸びており、プロジェクターでの地上波視聴需要も増えている。Android TV搭載プロジェクターならアプリを入れるだけで、100型超の大画面で地上波を見られる。テレビとケーブルで直接つなぐ必要がないから、設置場所の自由度が上がった。
●録画・視聴機能の充実度は従来レコーダー並み
録画機能は従来のレコーダーと同等だ。ドラマやアニメの1クール自動録画機能を積み、新番組の録り逃しを防ぐ。キーワード自動録画もあり、出演者名や番組名を登録しておけば自動で録る。
番組表から予約でき、外出先からスマホアプリで録画予約も可能だ。録画した番組は10秒スキップや早見再生(1.3倍速)で見られ、持ち出し機能で通信量を気にせず移動中に見られる。
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2TBのHDDと3チューナーを積み、地上波放送、BS放送、CS放送から3番組を同時に録画でき、2台のデバイスで同時にストリーミング視聴もできる。最大15倍録で長時間録画できる。USB 3.0端子があり、外付けHDD(160GB〜8TB)を最大8台まで登録できる。Blu-ray再生機能はないが、DIGA(ディーガ)へのお引越しダビングに対応するので、必要に応じてディスク保存もできる。
本体は55×147×214.5mmで縦置きだ。無線LAN(IEEE802.11a/n/ac、IEEE802.11b/g/n)を内蔵する。アンテナケーブルを挿して電源を入れ、アプリで設定すれば使える。
なお、miyottoはmini B-CASカードを積むテレビチューナーなので、利用時にはNHKの受信契約が必要となる。
●レコーダー市場の変化と新たなターゲット
レコーダー市場が年々縮む中、miyottoは「見る時間や場所にこだわらない」層を狙う。ストリーミングデバイス接続率がテレビの3割を超え、Fire TV Stickなどが普及した今、HDMI端子を持たないレコーダーは理にかなっている。
開発陣によると、社内で商品を発表した際、真っ先に反応したのは都心部の若手でテレビを持たない社員だったという。月産1000台規模で生産し、量販店とECを中心に販売する計画だ。
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