【ソフトバンク】屈辱4連敗から1年…小久保監督4連勝「モヤモヤ」晴れ心の底から喜べる日本一

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2025年10月31日 05:11  日刊スポーツ

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阪神対ソフトバンク 日本一を決め、会見で笑顔のソフトバンク小久保監督(撮影・浅見桂子)

<日本シリーズ:阪神2−3ソフトバンク>◇第5戦◇30日◇甲子園



ソフトバンクが「SMBC日本シリーズ2025」で阪神に4連勝し、前身の南海、ダイエー時代を含め5年ぶり12度目の日本一に輝いた。小久保裕紀監督(54)は昨年DeNAとのシリーズで2連勝から4連敗で敗れる屈辱を経験。就任2年目に臨機応変の采配を貫き悲願を達成した。常勝チームを作り上げるモチベーションは孫正義オーナー(68)の存在が大きく響いた。次に目指すのはリーグ3連覇、2年連続日本一。新たなホークス黄金時代の構築だ。


    ◇    ◇    ◇


消えることのなかった雲がようやく晴れた。1年前はDeNAに2連勝から4連敗。周囲の言葉はリーグ優勝の祝福より日本シリーズ敗退の慰めの声が9割だった。「モヤモヤ」「引っかかり」「スッキリしない」。胸の内のしこりに苦しんできた小久保監督が、甲子園で日本一の胴上げ。今日こそは心の底から喜べる。「昨年届かなかった日本一。本当にうれしいです」。球団としては64年ぶりに聖地胴上げ。現役時代の背番号と同じ9回舞った。


26日の第2戦。選手の自主性を尊重する柔軟な采配が光った。9点リードの8回に左腕松本晴が登板。9回も続投し、3番森下に四球、4番佐藤輝を遊直。5番大山を迎えたところで木村光にスイッチした。大量リードの場面で勝ちパターン左腕の投入には理由があった。


甲子園に場所を移す第3戦の先発は左腕モイネロ。その前提で、捕手の海野が「森下と佐藤の左(投手)に対する反応が見たい」と直談判してきた。大山はすでに左腕ヘルナンデスと対決済み。虎の強力クリーンアップを封じるための伏線だった。小久保監督は球数を気にしつつも「海野の意思を尊重した」。モイネロは第3戦で6回1失点。2日前の情報収集が勝利につながった。第2戦は計14安打も海野だけ無安打。「海野のノーヒットは想定内です」。イジリながらも扇の要の成長に目を細めた。


2年目に向かう指揮官、小久保裕紀を奮い立たせた1日があった。開幕前の孫オーナーとの会食は「楽しみで仕方ない」。心躍らせて“トップ会談”に向かう。そこには人工知能(AI)や情報革命の無限の可能性を熱弁する孫オーナーがいた。世界を代表するソフトバンクグループのトップは攻めの姿勢を崩さない。そして柔軟だ。常に先を見続ける総帥の姿に胸打たれた。「巨大なモチベーション。今年も頑張ろう」と思えた。月日がたっても努力家、勉強家の性格は現役時代から変わらない。5年ぶり日本一奪還はオーナーに向けても最高の恩返し。自己研さんを積んだ先に常勝ソフトバンクの復活が待っていた。


自宅で飼う猫たちを溺愛する。愚痴、独り言、ため息を禁じながら「今年もできてないね」と笑う顔もある。グラウンドでは見せないギャップは小久保監督の魅力の1つ。93年ドラフトでダイエーに逆指名で入団し、当時の中内㓛オーナーや根本陸夫監督から「将来はホークスで監督をやってほしい」と言われた。「いま考えたらそれを真に受けた俺もだいぶ勘違いやったけどね」。22歳から思い描いてきた夢。32年後、日本一の監督になった。【只松憲】

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