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東京都八王子市の精神科病院「旧滝山病院」(現希望の丘八王子病院)で入院中に亡くなった男性患者3人(当時66〜77歳)の遺族が31日、死亡したのは適切な治療を受けられなかったためだとして、運営する医療法人と当時の院長に計約8800万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると、2022年1月に亡くなった男性(当時77歳)は、急性心筋梗塞(こうそく)と診断されて血が固まらないようにする薬を投与されたが、実際には心筋梗塞ではなく、体内で出血したことによる閉塞性ショックか、貧血状態による循環不全で死亡したとしている。
19年6月に死亡した男性(当時66歳)は重度の床ずれが放置されて多臓器不全を起こしたことにより、23年12月に亡くなった男性(当時76歳)は栄養を与える胃管チューブが十分に深い位置まで挿入されずに窒息したことで死亡したとしている。
77歳で亡くなった男性の長男は提訴後の記者会見で、「きちんと治療を受けていると思っていた。病院で何があったのか真実を知りたい」と声を詰まらせた。66歳で死亡した男性の姉は「怒りが収まりません」とコメントを出した。
旧滝山病院を巡っては、看護師や准看護師による暴行が23年に発覚。5人が逮捕や書類送検され、全員が罰金の略式命令を受けた。東京都が病院側に再発防止を求める改善命令を出し、当時の院長は辞任した。医療法人は理事長が交代したものの、現病院の運営を続けている。
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第三者委員会は、虐待が起きた背景として、法人のガバナンス(組織統治)や役員のコンプライアンス(法令順守)意識の欠如などを挙げていた。【安元久美子】
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