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<関東大学ラグビー対抗戦:明大24−22慶大>◇2日◇東京・秩父宮ラグビー場
100回目の「慶明戦」が、まさかの試合終了を迎えた。
慶応大(慶大)が2点を追いかける後半40分過ぎ、逆転を目指して自陣からパスをつないで攻め込んだ。敵陣に入った同44分、ピッチ中央で主将のCTB今野椋平(4年=桐蔭学園)がボールを受けると、突然タッチに蹴り出した。
2点ビハインドの状況で、自ら試合を終わらせた。ノーサイドの笛が鳴ると、驚いたような表情を見せ、膝に手をついてがっくりとうなだれた。今野は「自分が本当に熱くなって、勝っていると思ってゲームを進めていた。レフェリーの『ノータイム』も聞いていて…。熱くなって、冷静でいなければいけない自分が、最後のジャッジをミスした。本当に僕だけの責任」と背負った。
前半は5−19と劣勢だった。後半9分にSH橋本弾介、14分には今野がトライを決めた。23分にSO小林祐貴がPGを決めて22−19と逆転。しかし27分にトライを許し、22−24と逆転されていた。
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終盤は攻め込まれるシーンもあったが、ゴール寸前でトライを防いでいた。「2点勝っているイメージだった。冷静に掲示板を見ることなく進めてしまった」と“勘違い”を悔やんだ。試合後はチームメートになぐさめられながら、秩父宮に集まったファンに長々と頭を下げた。
青貫浩之監督は「対抗戦は想定していないこと、いろいろなことが起こる。現役時代には逆のことがあったので、今野選手の気持ちが分かる。頭が真っ白になって、どういう状況か分からなくなる」とかばった。「周りが声掛けしていたら、変わったかもしれない。彼の責任だけじゃなく、コミュニケーションが取れていれば。次の課題かなと思う」と口にした。
慶大は3勝2敗として、次戦は23日に秩父宮で早稲田大と対戦する。
明治大の神鳥裕之監督は「100回目の慶明戦にふさわしい、お互いの良さがぶつかり合う試合だった。慶応のこの試合にかける思いが随所に出てきて、後半は受けに回って苦しい時間が多かった。勝ち切れたのは収穫」と振り返った。
明大は4勝1敗として、次戦は16日に秩父宮で帝京大と対戦する。
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