大阪地裁=大阪市北区 大阪・ミナミの不動産を巡る「地面師」事件で、土地の所有者に成り済まし計約14億5000万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた無職粂陵平被告(25)の判決が6日、大阪地裁であった。倉成章裁判官は「手口は巧妙で悪質な犯行だ」と述べ、懲役4年6月(求刑懲役6年)を言い渡した。
事件では、指示役とされる福田裕被告(53)ら3人も起訴されている。
倉成裁判官は判決で、粂被告は偽造運転免許証を使ったり、虚偽の株主総会議事録を作成したりして偽の代表取締役を仕立て上げたと指摘。「関係者らを欺く上で不可欠な役割を果たし、580万円もの報酬を手にした」と述べた。動機についても「ギャンブルで抱えた借金返済のためで身勝手だ」と非難した。
判決などによると、昨年2〜3月ごろ、不動産会社が所有する大阪市中央区の土地と建物を巡り、福田被告らと共謀。同社代表取締役の女性に成り済ますなどし、不動産会社経営の男性2人から売買代金名目で計約14億5000万円を詐取した。