アドバンテスト、持ち帰り残業巡り和解=解決金400万円支払い―さいたま地裁
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2025年11月10日 20:01 時事通信社

東証プライム上場の半導体検査装置メーカー「アドバンテスト」(東京都千代田区)に勤める40代男性が、労働時間として記録されなかった「持ち帰り残業」の残業代支給を求め、さいたま地裁に起こした訴訟で、同社が解決金400万円を支払うことで和解が成立したことが10日、分かった。男性が記者会見し明らかにした。和解は10月10日付。
男性によると、同社は2014年10月、働き方改革の一環として、毎月の残業時間を9時間に制限。一方で業務量は減らず、退勤の打刻後にパソコンを持ち帰り、自宅で残業することが常態化していたという。男性は、実質的な残業時間は平均で月100時間以上で、150時間を超えることもあったとし、18年には適応障害と診断されて約10カ月間休職したと主張した。
和解内容は、男性が残業代支給を求めた期間に月約120時間残業した分に相当する400万円を、同社が解決金として支払う。残業があったかどうかは盛り込まれなかった。
男性は記者会見で「金銭的解決は得られたが、失われた健康や心の平穏は戻らない。最も重要なのは持ち帰り残業をなくすことだ」と訴えた。
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