
阪神工藤泰成投手(23)が高知・安芸での秋季キャンプのブルペンで約1時間半、300球もの投げ込みを行った。序盤は変化球も投じたが、途中から藤川監督が指導。そこから200球以上、真っすぐのみを投げ続けた。
「きょう300球投げたことで、得られたものもしっかりある。今後に生かせることはたくさんあった」
バテた終盤は暴投などもあったが、300球目は速球を低めに決めた。ファンの大きな拍手に、脱帽して一礼。息を切らせて、両手と両膝を地面についた。
チームの今オフのテーマは「右のリリーフ陣」の強化で、候補の1人が背番号24。投げ込みの狙いは投球フォームを固めることにあった。動きも見せながら体の動かし方を助言した藤川監督は「投げ込めるフォームになりつつあった。今までなら無理。体が動ける動きになってきたので、いけたんじゃないですか。反復練習ができるということは、自然に体が反応し始めるフォームになってきます」と説明した。阪神の過去の秋季キャンプを振り返っても300球は異例。だが順調な成長過程を見て、次のステップとしての投げ込みがOKと判断した。
今季は球団育成新人史上初めて、開幕前に支配下昇格。春季キャンプやオープン戦では快投を続けたが、プロの壁に当たり、18試合登板にとどまった。だが7月のフレッシュ球宴で自己最速161キロをたたき出すなど、荒削りなストレートは磨けば光る原石だ。工藤は「指導していただいていることもうれしい。しっかり取り組みたい」ときっぱり。来季は右のリリーフ枠をつかみ取り、年間1軍でフル回転する。【塚本光】
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▽現役時代に300球投げ込みを何度も経験した阪神久保田2軍投手チーフコーチ「体力づくりもありますけど、フォームを安定させるために。疲れてきても同じようにいかに投げられるかっていうのもある。本人がどう感じるかは分からないけど、やって損はない」
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