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メインフレームは古い技術という議論は過去のものとなりつつある。IT運用管理やメインフレーム管理サービスを提供するBMCの最新調査によると、メインフレーム技術者の97%が同プラットフォームを「新しいワークロードに適した長期的な環境」と見なしており、これは調査史上最高の割合となった。
この背景には、生成AIによるスキルギャップの解消と、若手技術者の積極的な参入があるという。
●息を吹き返したメインフレーム
BMCは20回目の年次レポートのために、1000人のメインフレーム技術者を対象に調査を実施した。ミレニアル世代は回答者の半数以上を占め、7年前の36%から増加している。Z世代のメインフレーム技術者は2025年の回答者の15%を占めており、2018年のわずか1%から大幅に増加した。
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BMCでメインフレーム向けの自動化ソリューション「Intelligent Z」の最適化と変革を担当するジョン・マッケニー氏(シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャー)は、報告書に添えられた発表で次のように述べている。
「20年前、メインフレームに関する議論の中心は寿命の問題だった。しかし、状況は大きく変わった。今では新しい世代のプロフェッショナルがメインフレームで構築されたプラットフォームを積極的に受け入れ、AIの技術を活用してイノベーションを促進している」
企業の根幹を支えるプラットフォームの分野で、クラウドはメインフレームに取って代わる脅威と見なされてきたが、計算処理の主力であるメインフレームは驚くべき強靭さを示してきた。近年は、クラウドをベースとする生成AI技術の利用に伴うデータプライバシーやセキュリティへの広範な懸念が、メインフレームの評価を高める一因となっている。
マッケニー氏は2025年7月に、「CIO Dive」に対して次のように語った。
「業種に関係なく、企業は重要なビジネスアプリケーションを稼働させるためにメインフレームを使っている。基幹アプリケーションを動かさないのであれば、企業がメインフレームを持つ理由はない」
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メインフレームの寿命に対する予測は、保守を担う人材の構成の変化に合わせて変わってきている。
BMCの調査における回答者のほぼ全員である97%が、メインフレームを新しいワークロードに適した長期的な環境と見なしており、この割合は20年にわたる調査の歴史の中で最高の割合だった。さらに、回答者のほぼ4分の3は「自社がメインフレームのキャパシティーを拡大している」と答え、3分の1以上が、その成長を新しいアプリケーションもしくはレガシーな技術と新しいアプリを組み合わせた利用によるものだと説明した。
エージェント型ツールを含む生成AIのワークロードは、このプラットフォームにおける最新の導入例の一つだ。マネージド・インフラストラクチャサービスを提供するKyndrylが2025年9月の初めに発表した、ビジネスおよびITの専門家500人を対象にした調査によると、5社のうち4社以上の組織が、メインフレーム環境で大規模言語モデル(LLM)を導入済みであったり、もしくは導入を計画していたりするという。
エンジニアが生成AIアシスタントを使用してレガシーアプリケーションのモダナイズを進めることで、LLMのコーディング機能もまた、メインフレームの存続を支える要因となっている。
ITサービス企業であるCapgeminiは、老朽化したCOBOLのコードやデータベースに照準を合わせて、メインフレームのモダナイゼーションにおける障壁を克服した。ソフトウェア企業のRocket Softwareも2025年5月に導入したAIアシスタントにおける自然言語処理を活用して同様の成果をあげている。BMCも自動化されたメインフレームインテリジェンスツール「BMC AMI Assistant」を2024年に導入しており、IBMのアシスタント「watsonx」は同年10月に機能を拡張し、100以上のプログラミング言語を収録したライブラリを備えるようになった。
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メインフレームを扱う若手人材が増える中で、ベテランエンジニアの引退によって生じるスキルギャップを埋めるために、レガシーコードで訓練された生成AIモデルが役立っている。マッケニー氏は「ベテランが去り、若手の新規採用者が古いアプリケーションに取り組まざるを得なくなる状況でAIが橋渡しをしている」と述べた。
メインフレームの最新世代であるIBMの「z17」は、AIネイティブな環境に対応しており、大容量のワークロード向けに設計されたプロセッサと、Pythonに加えてCOBOLやC、Javaでもアプリケーションを実行できるよう再設計されたオペレーティングシステムを備えている。
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