保険料や窓口負担の見直しが進められている(写真はイメージ) 政府・与党は、所得に応じて決まる医療・介護保険料や窓口負担について、株式配当など金融所得を反映させる検討を始めた。現行では金融所得が保険料に算定されない方法も選べるため、公平性の観点から是正に乗り出す。与党内には金融所得を含めた結果、十分な支払い能力のある高齢者の保険料負担などを増やすべきだとの声があった。
年内に一定の結論をまとめ、来年の通常国会への関連法案の提出を目指す。ただ、システム改修など実務面の課題も多い。
自営業者が入る国民健康保険や75歳以上の後期高齢者医療制度、65歳以上の介護保険の保険料は自治体が加入者の市町村民税の所得を基に算定している。
株や債券の配当などは、課税手続きで確定申告をするかしないか選べる。確定申告を行うと市町村でも金融所得を把握して保険料や窓口負担に反映できる一方、源泉徴収で課税を済ませると市町村に金融所得の情報が届かず反映されない。
例えば、年間の年金収入150万円と金融所得250万円の75歳単身者は、確定申告すれば医療費の窓口負担は現役世代と同じ3割となるが、源泉徴収を選ぶと年金収入のみで負担割合が決まり1割で済む。与党内には「課税手続きの選択で負担に差が生じるのは不公平」との指摘がある。
今後は与党と厚生労働省や国税庁など関係省庁が、金融所得の把握強化に向けた検討作業を加速する。金融機関と市町村が情報連携する仕組みを整える方向だが、時間がかかるシステム改修や見直し対象者の線引きなど課題も多い。