
●Q&A Z世代部下のマネジメント法
Z世代部下をマネジメントする上司の尽きないお悩みに、リクルートマネジメントソリューションズが回答します。
話を聞いた人:石橋 慶(いしばし けい)
リクルートマネジメントソリューションズ HRDサービス推進部 トレーニングプログラム開発グループ マネジャー
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2005年入社。ソリューションプランナーとして、幅広い業種・規模の企業に対し、人材採用・人材開発・組織開発の企画・提案を行う。2012年よりミドルマネジメント領域の調査研究およびトレーニング・モバイルラーニングの商品企画・開発に従事。
Q: 一度に複数の業務を抱えるとすぐにパンクしてしまい、納期を守れなかったり、抜け漏れが多くなったりする部下がいます。「忙しい」と常に焦っていて、効率的な進め方を身につけられていません。こちらが指示を細かく出すと「管理しすぎ」と不満を言い、任せると混乱してしまう。どうバランスを取れば成長させられるのか悩んでいます。マルチタスクが苦手な部下に、どんな支援をすべきでしょうか。
●マルチタスクが苦手な部下 どうサポートすべき?
A: 一緒に計画を立て、タスクを単一化して集中できる仕組みを整えることが有効。また、進捗はツールで可視化し、中間指標を設定して適切なタイミングで介入する。
前提として、マルチタスクは効率を下げやすく、できれば避けたい働き方です。しかし実際には複数の業務を同時に進めざるを得ない場面もあるため、いくつか工夫は必要になります。
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マルチタスクが苦手な人は勘で仕事を進めていることが多いので、まずは緊急度×重要度のマトリクスで業務を整理してみましょう。「重要ではないのに、緊急度だけが高い仕事」や「緊急度は高くないのに、気になっている(重要度の高い)仕事」に時間を使いすぎ、肝心の案件が後回しになるケースも多いものです。そこで、最初は上司と一緒にスケジュールを設計し、リマインドやアラートを設定するなど「計画を立てる習慣」を根付かせる支援が有効です。毎回一緒に計画を立てる必要はなく、一度やり方を示すだけでも改善につながります。
また、1日の中で「この時間はメール処理」「この時間は資料作成」といったように業務を区切り、1つの作業に集中できる環境を整えることも大切です。
マルチタスクの問題は切り替えのたびに集中力が途切れ、生産性が低下する点にあります。種類の異なる業務を1日にいくつも詰め込めば、その分効率は落ちていきます。だからこそ、1日の業務をなるべく単一化し、集中できる時間を意識的に設計することが欠かせません。
一方で、逐一マネジャーが確認するのは現実的ではありません。ですので、進捗を可視化できるツールやカレンダーを活用し、本人だけでなく周囲のメンバーも状況を把握できるようにすると良いでしょう。本人が逐次報告をしなくても「これ、少し遅れているのでは?」とチームからフィードバックが入る仕組みを作れば、上司の負担を減らしつつも、本人の気づきを促すことができます。
さらに、完全に任せきりにするのではなく、重要な中間指標を設定し、そのタイミングで確認・介入する仕組みも重要です。例えば「この時点でこれができていなければまずい」という基準を事前に共有しておけば、マネジャーは必要なポイントで関与できます。特に営業など案件数が多い業務では、全てを把握するのは現実的でないため、中間指標を合意しておくことは重要となるでしょう。
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加えて、チーム単位で目標を設定し、誰かの遅れが全体に影響する関係性を作ることも効果的です。例えば、小規模のユニットなどで「(他メンバーが)遅れると自分の評価にも響く」というような状況を作れば、自然に声をかけ合う文化が生まれます。最近は売り上げ目標などを個人だけでなくチームにも紐付ける動きが広がっていますが、そうした「互いに影響し合う目標設定」も当事者意識を高める工夫になるでしょう。
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