「男性からの好感」は要らない? 「婚活リップ」→「飲み会リップ」へ 2025年のコスメトレンドが変化した背景

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2025年11月20日 06:50  ITmedia ビジネスオンライン

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アイスタイルが「@cosmeベストコスメアワード2025」を発表

 美容総合ポータルサイト「@cosme」を運営するアイスタイル(東京都港区)は11月19日、「@cosmeベストコスメアワード2025ベストコスメ」を発表した。同アワードは、この1年間に@cosmeに投稿された口コミを基に、消費者から支持を集めた商品をランキング化したものだ。


【画像】スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ リフレシングシトラスの香り


●キーワードは「ご自愛」と「回復」 猛暑の影響も顕著に


 総合大賞にはアテニアの「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ リフレシングシトラスの香り」が2年連続で選ばれた。スキンケアが連続で総合大賞を受賞するのは初めてである。


 人気を支えたのは「ご自愛ニーズの高まり」だという。忙しさやストレスの多い日常の中で、“自分の機嫌を自分で取る”という考え方だ。


 アテニアの同商品は「ローズリュクスの香り」や「ピースフルオレンジ」など複数の香りを展開し、その日の気分に合わせて選べる点を訴求している。


 「どんな一日を過ごしても夜のクレンジングで肌も心もクリアになって明日を迎えたい。その日の気持ちにスッと寄り添う香りを選んで、より豊かなクレンジング時間を」(アテニア公式Webサイトより)という提案は、生活者の気持ちに寄り添ったものだと@cosmeリサーチプランナーは分析した。


 アイスタイルによると、実際に「スキンケアを日によって使い分けている」という人は一定数いるという。肌調子や気温などの外的要因だけでなく、気分に合わせてスキンケアのやり方や使う製品を変えるそうだ。こうした“気分で選ぶ”行動と同商品の香りの多様性がマッチし、@cosmeに寄せられた口コミでも香りに言及する声が多く見られた。


 売れ行きを押し上げたもう一つの理由が、2025年の猛暑だ。@cosmeユーザーを対象に実施した調査では、52.7%が「暑さによって毛穴が気になるようになった/悩みが増えた」と回答。気温が上がると汗や皮脂によって毛穴が開いたり黒ずみが目立ちやすくなったりする。同商品での口コミでも「小鼻」「毛穴」といったワードの出現率が高く、暑さで生じる肌悩みの解決に役立つ商品として購入につながったと見られる。


 総合10位のうち4つがスキンケア関連商品となっており、アイスタイルは「回復」「再生」がキーワードとなったと説明。アパレル業界でリカバリーウエアが注目されているように、肌にも“ダメージからの回復”を求める意識が広がっているそうだ。総合4位の「ランコム ジェニフィック アルティメ セラム」や9位の「ルルルン ルルルン ハイドラ EX マスク」など、メーカーが「回復力」をアピールする商品が支持された。


●「婚活リップ」→「飲み会リップ」へ 目的は“モテ”より“快適”


 猛暑の影響はメークにも及んだ。アイスタイルの調査では55.4%が「崩れないために薄づきを意識している」と回答しており、最初から薄くメークすることで、崩れにくくさせたり、崩れても目立たなくさせたりしたいといったニーズが見られた。


 メークをする際に化粧下地やパウダーを密着させるためのパフやブラシといった「ツール」への需要も高まった。総合10位以内には「ロージーローザ マルチファンデパフ 2P」「ロージーローザ パウダーブラシEX」がランクインしている。


 さらに、リップでは新たなトレンドが生まれている。かつては「婚活リップ」と呼ばれる“男性から好感を持たれやすい色味”が注目されたが、最近では「飲み会リップ」がキーワードだという。飲み会で飲んだりしゃべったりしても落ちにくいリップを指し、総合7位の「RMK デューイーメルト リップカラー」がランクインした。


 @cosmeリサーチプランナーは「『飲み会リップ』は、飲み会でモテるためという意味合いではない。自分が心地よく楽しく過ごせるかに基準が変わってきている」と話した。


 2025年上半期の@cosme全体に寄せられた口コミでも「自分らしさ」のワード出現率は前年同期比約1.6倍、「自分カラー」は約1.1倍(同)となり、「自分基準のかわいさ」を追求する傾向が強まっているという。


●2026年も続く「平成ブーム」


 ここ数年、「たまごっち」や90年代の音楽・ファッションの平成リバイバルブームが続いている。2025年上半期には、チャームを付けて化粧品をキーホルダーのようにバックにぶら下げる「じゃらじゃらチャームコスメ」が話題となったという。


 当時を知る世代には懐かしく、若い世代には新しく感じるトレンドで、口コミにおけるワード出現率も「平成」は前年比約2.2倍に増加。中でも当時流行したキラキラシールやラインストーンのデコレーション文化を思い出させるコスメが人気を集めているそうだ。


 同社のアンケートでは、10〜20代の42.3%が「メークやファッションにキラキラしたものを取り入れたいと思うようになった」と回答。アイスタイルは、2026年度もこの流れが続き、さらに多様な“自分らしいかわいさ”を追求するアイテムが注目を集めると見ている。



このニュースに関するつぶやき

  • 「婚活リップ」初めて聞いた。前に子供からもらったリップがバニラの香りで色もとても気に入ってたのにもう売ってなくてガッカリ。商品のサイクルが早すぎる。
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