「13年で垢抜け」話題の男性コスプレイヤーが明かす意外な過去。空気が読めずに同級生から“モンスター”扱い、生きづらさを抱えて…

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2025年11月20日 09:01  日刊SPA!

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別人級の垢抜けが話題のひやニキさん
人生初コスプレから13年越しに同じキャラのコスプレをしたビフォーアフター写真を載せたXのポストが、500万インプレッション近くの大バズりしたコスプレイヤーのひやニキさん(X:@miyamoto_fox)。
オシャレがわからず、大学デビュー失敗を経て、「ビジュを上げたら良縁に恵まれる」という持論に基づき、ダイエットやメイク研究をして男性コスプレイヤーとして知名度を上げているが、彼はどんな人生を歩んできたのだろうか。

今の見た目に変貌する前に抱えていた“生きづらさ”とは?(記事は全2回の2回目)

◆空気が読めずに同級生から「モンスター」扱い

「重度のADHDでアスペルガーだったので、ぜんぜん悪気なく女性に『可愛くないですね』とか言ってましたね。高校時代から付き合いがある親友たちと飲むと、必ず僕のことを『モンスターだった』といって酒の肴にされますね(笑)」

だが、幼少期は自分も周りも「特に問題視していなかった」という。

「地域性というか、田舎でコミュニティが狭かったからなのか、僕が登校班の集合時間に間に合わなくても、授業に出なくても、『ひやニキくんはそういう子』って感じで済んでいました。担任の先生とかは、なんとか正そうとしてくれましたが、親も『そうですねえ』みたいな感じであまり気にしていなかったです」

授業に遅れるだけでなく、休みがちな時期があっても成績は常にトップクラスだったそうで、高校は塾に通うこともなく進学校に入学。だが、入学して初回のテストは学年で「ドベだった」そうだが、2年生になる頃には学年トップになった。

その理由のひとつが「女性が苦手だったから」なのだとか。

◆女子が多いクラスでいじめに遭う

「授業の選択的に女子が多いクラスになってしまったんです。そこで声が大きい女性が多くて、さらに閉鎖的な空間かつ、まだ精神的に成熟していない高校という場所だったんで、かなり異質でした」

上履きに画鋲を入れられてしまうなど、「まぁまぁな仕打ち」は日常茶飯事だったようだが、放課後に男友達と図書館で勉強したり、遊戯王カードで遊ぶことを励みに学校には通い続けたという。

「いじめてくる人たちってレベルも低いし、成績も僕より低い。そういう態度が滲み出ていたから、いじめられていたのかもしれないって、理解はありました。僕はずっと校内の模試も1位だったので、余計ムカついたんでしょう。

行きたい大学と学部があって、最低このくらいの成績は取らないとっていうラインがあったので、そこを越えるために勉強をしていました」

具体的に成績を上げる方法を聞いてみると、意外な答えが返ってきた。

「中学までは教科書を読めば、大体の勉強はできました。さすがに高校は受験もあったので、それ用の塾にいきましたけど。僕がしていたのは、観念づけの学習。たとえば、生物だったら“細胞がどうして、こういう成り立ちになったんだろう”とか。興味あることだと調べていて楽しいし、面白い。でも、興味がないことも覚えなきゃならないのが勉強なので、興味あることから覚えて、そこから興味ないことも関連づけて覚えると自然と知識は増えていきますよ」

大学を卒業して数年間はシステムエンジニアとして働いていたそうだが「すっごいキツかった」と当時を振り返る。

◆普通のことができない自分「毎日同じ時間に同じ場所に出社するのが難しい」

「24時間、365日の交代制で昼夜関係ない仕事でした。僕は自律神経が弱いので、大変でした。最後に入った会社に関しては、朝8時から23時まで勤務していて、適応障害になってしまいました」

だが、その期間も無駄にするまいと、傷病手当をもらいながら、独学でコピーライティングを学び、手当が切れる頃にはマーケティングの会社に入社したひやニキさんだったが……。

「数年働きましたが、やっぱり通いがキツい。毎日同じ時間に同じ場所に行くっていう“普通”のことが、僕にとってはすごくしんどいことで。ただ、勤怠は悪いのに、仕事で結果は出せるんです(苦笑)。広告のクリックが倍になるとか。だから『君は能力と勤怠のアンバランスさがもったいない』とよく言われていました」

結局、フル出社やフルリモートより半出社・半リモートが適していたため、現在はフリーで独立してから3年が経った。

「今でも『普通に出勤できれば稼げるのに』と言っていただくこともありますが、自分のできること、できないことを擦り合わせて、なんとか踏ん張っているところです」

現在は、コスプレ関連の案件の仕事も増えてきたようで「色々新しいことをやっていきたい」と意欲的に話す。

「コスプレ関連の案件は基本出演者の共演NGはありません。仕事である以上当然ですし、過去喧嘩したことがあっても縁に変わりないので。あとはコスプレだけでなく垢抜けのコンテンツもやっていきたいです。Webマーケティングの仕事をしているので、自分がモデルをする以外のこともできます。男性のコスプレイヤー自体がニッチなので、案件を獲得するのは難しいというのはわかっていますが、どこかいい事務所さんと出合えたら、そこに所属して、さらに活動範囲を広げていきたいとも考えています」

◆自分の生きやすい場所を探して…

以前のひやニキさんのように、現在、生きづらさを感じている方にコメントをもらった。

「他人との比較よりも前の自分と比べるのが大事。他人の意見を認められない人は、自分の意見も認めてもらえない。たとえ今がマイナス100点だったとしても、0点になったら成長したということです。まずは自分を認めてあげることが何よりも大事だと思います。

日本はいまだに60点を常に出せるようなゼネラリストが重宝される。そんな中、ひとつのことだけ突出してできるスペシャリストは生きにくい傾向にある。ただ、自分のできること、できないことをしっかり整理して、生きやすい場所を模索していけば、きっと明るい未来があると信じています」

<取材・文/吉沢さりぃ>

―[ひやニキ]―

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720

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