銀座No.1ホステスが明かす「憧れの人の“特別な存在”になれる」技術。プレゼン力より大事なもの

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2025年11月22日 16:20  日刊SPA!

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山崎みほ
―[経済レポーター×銀座No.1ホステス・山崎みほ]―
「憧れの経営者と会食!これを機に一緒に仕事がしたい」
「自分のビジネスに投資してくれる人を探したい」

チャンスをものにしたいとき、張り切って自己PRやプレゼンを準備しますよね。

でも実は、「覚えてもらおう」と頑張れば頑張るほど、うんざりされてしまい逆効果かもしれません。

今回は、昼は経済レポーターとして上場企業の社長たちと、夜は銀座ホステスとしてトップクラスのビジネスパーソンと接してきた私が学んだ「人の懐に入る力」についてお話しします。

◆すごい相手にこそ効く、懐に入る力

有名な経営者や投資家のような“すごい人”ほど、日々アプローチしてくる人間は山ほどいます。

その中で抜きんでて「おっ」と思わせるには、実は“相手のことを覚えている”ことが大きな武器になります。

夜の世界でも、売れているホステスがお客様によく言われているのは「そんなこと、よく覚えてくれているね!」という感動の言葉です。

“記憶力”が相手の心をつかみ、懐に入るためのカギになるのです。

◆下手なコピペ営業メールをするホステスは売れない

夜の世界では、ただ自分の魅力をアピールするだけではお客様がつきません。

また、全員にコピペの営業メールを送っていたら「どうせみんなに同じことを送っているな」とすぐに見抜かれ、来店どころか、読んですらもらえません。

夜のお客様は日々、たくさんのホステスから営業メールをもらっているのです。

売れているホステスは、響かない下手な営業はせず、お客様一人ひとりに刺さる営業をピンポイントでしています。

◆“記憶力”に自信がなくても“記録力”で勝てる

とはいえ、日々、百人以上のお客様と連絡をとるので、”記憶力”だけでは限界があります。

そこで重要なのは“記録力”です。お客様の情報や好みをメモするのは基本です。

私は記憶力だけでは自信がなかったので、とにかく記録するタイプでした。

ここまでしていたのは恥ずかしいのですが、お客様の一度の来店後のメモはA4で3ページ分にのぼることもありました。次の来店前に過去のメモをすべて読み返します。

さらに、仕事、出張、旅行などのスケジュールを聞いたらすかさずカレンダーに登録するのです。

その上で、たとえばこのような連絡をします。

・大事な仕事の日の朝「がんばってね」
・健康診断や検査の結果が出る頃に「どうでしたか?」
・地方のお客様の東京出張の日「気をつけて来てね」から来店に繋げる
・お客様の地元や出身地で天災があれば即「大丈夫でした?」
・病気やケガは治るまで毎日気遣う
・お客様のいる場所に合わせた話題を送る

反対に、海外出張中のお客様にうっかり「今日も東京は寒いですね」なんて送ってしまったらアウトです。

ちょうど良いタイミングで絶妙な連絡ができると、お客様は「この子はよく考えてくれているな」「こんなに気にかけてくれているから、行ってあげなきゃな」と思ってくださいます。

◆会食は“プレゼン”ではなく“リサーチ”の場

夜のお店では、初対面のお客様とお話できるのはほんの15分程度。短い時間の中で、その後の営業に使える切り口を探れるだけ探ります。

ビジネスでも、会食やミーティングは「プレゼンの場」でもありますが、相手のことを知る「リサーチの場」として、“その後のアプローチのための情報収集”という意識をもつことが大切に思います。

この人にはどんなストーリーが響きそうか?何をしたら喜ばれそうか?にアンテナを張るのです。

また、今の時代、SNSやネットでの事前リサーチもいくらでもできます。

・最近気にしている話題
・力を入れているプロジェクト
・考え方や価値観

これらを自然に切り口にすれば、より深堀りした会話ができます。

◆中身のないお礼メールは意味がない

翌日には「昨日はありがとうございました。また機会がありましたら…」という定型文ではなく、「お話しされていた〇〇について面白い情報を見つけました!」のように、相手の関心ど真ん中に投げる。

一歩踏み込んだ、中身のある連絡で「こいつは他とは違うな」「面白いやつだな」と思ってもらうことができます。

ちなみに、会食後に勝手にメルマガを送りつけるビジネスマンがいますが、それは嫌われてしまう典型です。自分本位なアプローチはマイナスにしかなりません。

◆“覚えていること”は積み重ねるほど最強の武器になる

”すごい人“の懐に入り、関係性を勝ち取るためには、いかに相手にちょうど良く絶妙なアプローチができるか。

「覚えてもらおう」とすることも必要ですが、それ以上に「覚えていよう」とする姿勢が差をつけると思っています。

記憶力と記録力は、積み重ねれば積み重ねるほど、他が真似できない最強の武器になっていきます。<文/山崎みほ>

―[経済レポーター×銀座No.1ホステス・山崎みほ]―

【山崎みほ】
経済レポーター。証券外務員一種/行動心理士。
株式投資情報のレポーターとして、上場企業の取材記事や経済ニュースを執筆。Yahoo!ファイナンス、YouTube等メディアでは上場企業社長のインタビューも行う。また、銀座の高級クラブでホステスとしても勤務、心理学と行動経済学の知識を基にNo.1を獲得。経済レポーターの深い洞察力と人気ホステスとして培った対人関係術を融合し、夜の世界では1日40組、昼間の営業職では成約率90%の成績を上げるなど、昼夜問わず結果を出すスタイルを築いている。Xアカウント:@mihoy001

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