Shokzの新オープンイヤー「OpenFit 2+」は前モデルと何が違う? 価格差2000円で追加された“2つの進化点”

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2025年11月26日 15:10  ITmedia PC USER

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イヤフォンの先端を耳に当てる(引っ掛ける)ように装着するため、単に耳に掛けるだけの場合よりも安定性が高い。装着感は非常に良好だ

 Shokzが8月に発売した「OpenFit 2+」は、同社オープンイヤー型イヤフォンの新モデルだ。直販価格は2万7880円で、カラーバリエーションはブラックとグレーの2色展開となっている。


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 製品の名称からも分かる通り、本モデルは1月に発売された「OpenFit 2」のアップグレードモデルという位置付けで、デザイン以外のいくつかの点で改良が行われている。


 まずは前モデルから何が変わったのか、詳しく見ていこう。


●耳掛け式のオープンイヤー型イヤフォン


 OpenFit 2+の形状はオーソドックスな耳掛け式だ。イヤーフックにはニッケルチタン合金が使われており、しっかりと耳にフィットする。


 単にイヤーフックを耳に引っ掛けるだけではなく、本体の先端を耳の縁に引っ掛ける、あるいは押し付けるように装着する。これによって装着の安定性が増し、運動中に外れてしまうようなことがなくなる仕組みだ。といっても、装着の主体はあくまでもイヤーフックなので、インナーイヤーのように、耳穴にイヤフォンをはめているような装着感ではない。


 最近のイヤフォンは、表面をタップするような操作が主流になっているが、OpenFit 2+は物理ボタンを搭載している。1〜3回押しと長押しで再生/停止や曲送り、ボリューム調整などに対応している。誤動作も少なく、直感的に操作できる。


 バッテリー駆動時間は、イヤフォン単体でのリスニングが最長11時間/通話が最長7時間となっている。10分間の充電で2時間のリスニングが可能な急速充電もサポートしている。


 イヤフォン自体はIP55の防水/防塵(じん)性能を持ち、運動中の汗や雨なども耐えられる。なお、充電ケースは防水非対応だ。


 デバイスとの接続はBluetooth 5.4で行われ、対応プロファイルはA2DP/AVRCP/HFP、コーデックはSBC/AACとなる。また、マルチポイント接続もサポートする(最大2台)。


●OpenFit 2との違い


 ここまで書いてきたことは、前モデルのOpenFit 2と同様だ。実際、基本的な仕様としては、OpenFit 2+とOpenFit 2に大きな違いはない。外観も全く同じで、お互いにケースを入れ替えることもできる。


 ただし、OpenFit 2シリーズはケースとイヤフォン本体がひもづいており、別のケースに入れても使用できない(ケースのLEDは光らないが、充電自体はできるとのこと)。


 このため、ケースあるいは片方のイヤフォンを紛失した場合、フリマサイトなどで購入しても使用できないことになる。メーカーとしてもケースのみ、片方のイヤフォンのみの購入サービスは提供しておらず、製品ごと買い直しになるので注意が必要だ。


 外観および基本仕様に変更がないOpenFit 2+だが、主な変更点は2つある。1つはDolby Audio対応になったことだ。Dolby Audio対応は、Shokz製品としては「OpenDots One」に続いて2製品目となっている。


 そしてもう1つが、充電ケースのワイヤレス充電対応だ。Qi規格のワイヤレス充電に対応しており、約180分で満充電にできる。USB充電の約100分に比べると充電時間は長くなるが、机上のワイヤレス充電器に置いておけば充電できると考えると、ケーブルを抜き差しする手間がない分、便利だ。


●音質は?


 OpenFit 2+は、OpenFit 2に引き続き、DualBoostテクノロジーを搭載する。高周波ユニットと低周波ユニットを分離し、2つの独立したスピーカーを搭載することで、深みのある低音とクリアな中高音を実現するというものだ。そもそもオープンイヤーは、音楽を集中して聞くには向いておらず、特に低音は弱くなりがちなのだが、OpenFit 2+はしっかりと低音も感じられる。Dolby Audioにも対応しており、有効にすると臨場感を得られるようになる。


 通話性能に関しては、スマホのレコーダーアプリでOpenFit 2+のマイクを使って録音し、それを確認するという方法で試してみた。こちら前モデルのOpenFit 2と同様で、ビームフォーミングマイクとAIによるノイズキャンセリングの効果で、周囲の話し声などはほとんど気にならない。


 なお、OpenFit 2+ではアプリ上で新たに「通話中にマイクのノイズキャンセルを有効にする」という項目が追加された。デフォルトではオフになっているが、オンにすることで、車の走行音など周囲の騒音を効果的に除去できる。


 ただし、音声が若干こもったような感じになるので、よほど周囲が騒がしくなければ、オフのままでも良さそうだ。また、オープンイヤーで周囲の音がそのまま聞こえてしまうため、そのような場所ではそもそも相手の声を聞き取りづらいという問題もある。騒がしい場所での利用には向いていない。


 周囲が騒がしくても、音量をアップすればある程度聞き取りやすくはなるのだが、そうすると気になるのが音漏れだ。オープンイヤーはカナル型やインナーイヤー型と比べて音漏れはしやすい傾向にある。音漏れ抑制のために、逆位相の音で音漏れを打ち消す「DirectPitch 2.0テクノロジー」が導入されているが、残念ながら音漏れが皆無というわけではない。


 常識的な音量で聞いている限り、すぐ横に立たなければ気にはならないレベルではあるものの、カナル型のイヤフォンよりも音漏れは大きい。特に高音域の音漏れが気になるが、アプリから行うイコライザー設定で、「プライベート」にすると、高音が抑えられ音漏れはほぼ気にならなくなる。


 ただし、高音をカットしているためか、音質面でややこもった印象になってしまう。周囲が騒がしい場所だと音量を上げがちになるが、音量に比例して音漏れも大きくなる。人前で使う場合には注意した方がいいだろう。


 Dolby Audio対応と充電ケースのワイヤレス充電対応、そして本体カラー以外は仕様的に変更はなく、あえてOpenFit 2から買い替える必要はないだろう。後継機というよりもバリエーションモデルといった印象がある。


 また、OpenFit 2とOpenFit 2+は併売されるとのことなので、Dolby Audioやワイヤレス充電は不要という場合は、より安いOpenFit 2を購入するという選択もありかもしれない。とはいえ、価格差はわずかに2000円だ。少しでも高い音質を求める人やワイヤレス充電の利便性が欲しいというのなら、OpenFit 2+の方をお勧めしたい。


 余談にはなるが、筆者は就寝時にOpenFit 2を装着して音楽を聴きながら寝落ちすることが多い。他のイヤフォンだと耳に圧迫感があったり、寝返りを打った際に痛かったりすることもあるのだが、OpenFit 2はそういった問題もなく快適だ。朝には耳から外れているのだが、形状的にも転がってどこかに行ってしまうということもない。


 それぐらい装着感は快適なので、初めてオープンイヤー型を試すという人にもぜひ手に取ってほしいところだ。



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