
【写真】アシタカ&サンを演じる2人のりりしい姿
1986年、歌舞伎の伝統と現代的なスペクタクルを融合させたダイナミックで斬新な演出が話題を呼び、日本の演劇界に新たなジャンルを確立したスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』。その初演から40周年を迎える2026年、スーパー歌舞伎に新たな作品が誕生する。
今回スーパー歌舞伎として新たな息吹が吹き込まれるのは、公開から4半世紀以上が経った今なお多くの人々に愛される不朽の名作『もののけ姫』だ。スタジオジブリの宮崎駿監督が原作・脚本・監督を手掛け、壮大な自然と人間の物語を描いた『もののけ姫』は、当時の日本映画の歴史を塗り替える大ヒットを記録し、アニメーション作品として初めて日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞するなど、国内外から高い評価を受けた。本年10月から開始された4Kデジタルリマスター上映でも瞬く間に大きな評判を呼び、時代を超えた感動の渦を巻き起こしている。
2026年夏、そんな『もののけ姫』が、壮大なスペクタクルとダイナミックな演出で魅了するスーパー歌舞伎として新たな輝きを放つ。アシタカとサン、タタラ場に生きる人々と森に棲む神々──それぞれの運命が絡みあい、人間と自然の壮絶な衝突と共生への願いを描き出す物語が、スーパー歌舞伎として新たな歴史を刻む。
このたび、呪いをかけられた少年・アシタカを市川團子、山犬に育てられた少女・サンを中村壱太郎が演じることが決定した。
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團子は『ヤマトタケル』で早替りや宙乗りを披露し、スペクタクルな演出で観客を魅了する澤瀉屋の芸を受け継ぐだけでなく、自身の研鑽の場として「新翔春秋会」を立ち上げるなど舞踊にも力を入れ、活躍の幅を広げている。
アシタカ役の團子は「歌舞伎ファンの方にはもちろん、ジブリファンの方にも納得していただき、何よりも皆様に楽しんでもらえる作品になるよう、私も曇りなき眼で『もののけ姫』に挑みたいと思います」とコメント。
壱太郎は、女方の大曲『京鹿子娘道成寺』をはじめとする大役を勤める機会が増えるとともに、“劇場以外で楽しめる歌舞伎”として企画・主催した『ART歌舞伎』の劇場公演を成功させるなど、その活躍は多岐にわたる。
サン役の壱太郎は「この壮大で、誰もが知る作品を『スーパー歌舞伎でやってよかった!』と思える、未来につながる作品の幕開けにしたいと思います!」と意気込みを明かした。
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スーパー歌舞伎『もののけ姫』は、東京・新橋演舞場にて2026年7〜8月上演。
※市川團子、中村壱太郎のコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■アシタカ:市川團子
祖父が亡くなった連絡を受け聴いた曲が『もののけ姫』の「アシタカせっ記」でした。悲しみの中で「希望」を貰ったことを今でも鮮明に覚えています。まだこのお話をいただく前のことで、何か運命的なものを感じてなりません。
スーパー歌舞伎は、祖父が歌舞伎の未来を見据え、今に生きる瑞々しくエネルギーに満ちた歌舞伎を目指し創られたものです。その観点からも『もののけ姫』をスーパー歌舞伎で上演することは、とても意義があることだと感じています。
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■サン:中村壱太郎
スーパー歌舞伎『もののけ姫』が来年上演されること、今からとても緊張と興奮を強く感じております。
『もののけ姫』は私が小学校の時に公開された作品、その時は何となくの記憶ではありましたが、改めて大人になってから作品を観て、何故かとても歌舞伎的な決め台詞の印象の残り方があると感じた思い出があります。
そしてとても素敵な久石譲さんの音楽。この壮大で、誰もが知る作品を「スーパー歌舞伎でやってよかった!」と思える、未来につながる作品の幕開けにしたいと思います!
