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来季も巨人の正捕手争いは熱い。甲斐拓也捕手(33)が27日、都内の球団事務所で契約更改を行い、年俸3億円でサインした。昨オフにFA移籍。5年15億円の複数年契約の初シーズンは、けがも重なり、68試合出場にとどまった。優勝請負人が「まだまだできる」と奮起すれば、24歳の山瀬慎之助捕手は「甲斐さんも抜かれるのなら僕に抜いてほしいと思ってる」と挑戦状。侍ジャパン日本代表の岸田行倫捕手(29)ら、12球団屈指の捕手層の競争が日本一へ押し上げる。
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伸ばした髪がかかりそうな口元から、甲斐の決意の言葉が発せられた。「当然、納得いくことではない。まだまだ自分はできる」。優勝請負人として、ソフトバンクから移籍してきた。伝統球団の13年ぶりの日本一に貢献する使命を胸に、ただ現実は厳しかった。
3月の開幕戦でスタメンマスクを被り、5月上旬まで打率3割超え。打撃でも存在感をみせたが、6、7月に出場が18試合と出番減。8月23日DeNA戦で右手中指の中手骨頭骨折を負い、以降はリハビリ生活でシーズンを終えた。8季続けてきた100試合超えの出場数には及ばぬ68試合。「けがで離脱は初めて。難しい部分はあった」と不本意すぎる時間を過ごした。
143試合中、最多スタメンマスクは69試合の岸田で、続く64試合に終わった。「この1年間、僕の野球人生にとって絶対無駄にならない1年だったと思ってる」と悔恨を反転させる。
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この日はすでに終えた岸田を除く4捕手が契約更改。5人のうち最年少、24歳の山瀬は「開幕から出られるように」と来春をにらむ。17日の交渉では出場機会を求めて保留も、今回は320万円増の1000万円でサインした。自主トレをともにし、尊敬する甲斐へ、「抜かれるのなら僕に抜いてほしいと思ってる。遠慮なく勝ちにいって、気持ちよく引退して…まだまだですけど(笑い)」と堂々の師匠超え宣言も飛び出した。
甲斐は言う。「当然、素晴らしい捕手陣というのは分かった上で、自分の野球人生、新たに挑戦したいと来てる」。その覚悟が、チームを頂点に押し上げていく。【阿部健吾】
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