
<バスケットボール男子・W杯欧州1次予選:英国88−89リトアニア>◇27日(日本時間28日)◇ロンドン
欧州地区でも27年FIBAワールドカップ(W杯)カタール大会の1次予選が始まり、史上最大級といえる大逆転劇が起きた。最終の第4クオーター(Q)。残り10秒を切り、実に7点もビハインドがあった「敗色特濃」の試合を、ひっくり返した。
世界ランキング9位のリトアニアが、敵地で同43位の英国と対戦。以下のようにドラマや漫画のような展開で、最後はブザービーターで劇的に競り勝った。
▼残り十数秒 80−87 リトアニアが7点差を追って攻撃開始。
▼残り9秒8 83−87 3ポイント(P)シュートが決まって4点差。
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▼残り7秒9 83−88 英国がフリースロー1本を沈めて突き放す。5点差。
▼残り3秒5 86−88 再び3Pが決まって、ついに2点差に。しかし…。
▼残り0秒0 89−88 もう3秒5しか残っていない。相手ボール。さすがに絶望視された中でもリトアニアは、自陣でのイギリスのスローインに重圧をかけた。
鬼プレスでミスを誘い、こぼれたボールも拾う。前傾のドリブルから、ハーフラインを越えた瞬間、左サイドからロングシュートが放たれた。
空中でブザー音。計時も残り「0秒0」になった直後、ボールがリングをくぐった。場内沸騰、大歓声の中で緑(リトアニア)の選手も観客も、みんなで頭を抱え、両拳を突き上げ、喜びを爆発させた。
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奇跡の9得点を決めたのは、全てポイントガード(PG)のイグナス・サルギウナス(26)だった。自ら持ち込んで、正確に網を捉え続けて、大逆転劇を呼び込んだ。それまで、途中出場から3Pは5分の1しか成功していなかった背番号43だが、驚異のラスト3本を残り10秒以内に集めた。米ジョージア大、コロラド州立大を経て現在は自国リーグのリータスでプレーしている196センチが、伝説になった。
舞台はカッパー・ボックス。2012年ロンドン五輪(オリンピック)のハンドボール会場で、その後はバスケの試合などが行われてきたアリーナが、人口300万人、国土面積も北海道の8割しかない「小国」にとって、奇跡の地となった。
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