年末商戦が本格化し、開店前の百貨店に並ぶ客=28日早朝、米ニューヨーク 【ニューヨーク時事】米国では28日、年末商戦が本格化する「ブラックフライデー」を迎えた。人工知能(AI)の成長期待がもたらした株高の恩恵を受ける高所得者が消費をけん引する見通しだが、トランプ政権の高関税政策が影を落とす。関税に伴う物価上昇が販売額を押し上げ、インフレの影響を除いた実質的な購買力は伸び悩むとの見方が広がりつつある。
祝日の感謝祭明けの金曜日は「決算を黒字にする」という意味からブラックフライデーと呼ばれ、小売り各社が一斉にセールを始めるのが習わし。ニューヨーク市中心部にある老舗百貨店メーシーズには午前6時の開店前に約200人が並んだ。寝具を買いに来たという同市在住のフェリシア・バルガスさん(54)は「予算は多くない。商品の値上がりは異常で、買い物に慎重だ」と語った。
クレジットカード大手ビザは、11〜12月の小売売上高は前年同期比4.6%増と、前年実績の4.3%増を上回ると推計した。ただ、「インフレが売り上げ拡大に大きく寄与する」のが実情。インフレ分を除外した売上高は2.2%増と、前年の2.5%増を下回ると見込んでいる。
株高で資産が膨らみ支出を増やす高所得者と、関税の負担がのしかかる低所得者の消費格差は「大きい状態」(米金融大手)が続く。連邦準備制度理事会(FRB)高官からは「生活コスト面で、低中所得者は制約を受けている」と警戒の声も上がる。