
スピードスケート・ショートトラックのミラノ・コルティナ冬季五輪(オリンピック)予選を兼ねたワールドツアー(WT)最終第4戦で女子3000メートルリレーで2大会ぶりに五輪出場枠を獲得する見通しとなった日本チームが2日、千葉・成田空港に帰国し、取材に応じた。
開口一番で手応えを口にしたのは、黒川輝衣(25=ヨコハマタイヤジャパン)。「課題は残っているけど、確実にA決勝に残ったり、そこでしっかりみんながメダルを目指して一丸となって取り組んでいるところが、すごく手応えを感じている」。
今大会は予選で精彩を欠いて準決勝進出を逃した。しかし、WT第2、3戦はいずれも3位と大健闘。日本女子勢の個人種目では苦戦が続くものの、結束力で再び代表権を取り戻した。
復権への道は険しさもあったが、「やはり世界にも劣っていないと思うのはタッチの精度だったりとか、(リレー時の)息のあったところ。今回も合宿を重ねる中で精度も完璧に近いほどに上がってきた」と金井莉佳(20=日大)は実感を込める。
エース格の中島未莉(22=トヨタ自動車)も「スピードをいかに持続させるか、体力温存だったりとかそういうのがうまくできれば、もっと世界との差は縮まる」とうなずく。
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五輪でメダル獲得を目指すためには、周回中に滑走者を交代する「タッチ」の精度が鍵になる。今季から、カナダ出身で1992年アルベールビル五輪銀メダリストのブラックバーン氏がコーチに就任。タッチ技術の向上とともに、各自の滑りも見直してレベルアップを図ってきた。
補欠に回ることが多かったという渡辺碧(26=トヨタ自動車)はトラックの外からこう感じていた。
「他国の選手との差ができてしまった時に今までだと、そのまま離れてしまっていたところが多かったのが、今年はタッチのつながりとか、個々の能力ですぐに追いつくところが以前にはなかった。すごくみんなが強くなっている」。
WT最終戦に向けては「忍者」をモチーフにした円陣を考え、カナダ人の指揮官とともに結束力を高めてきた。
実際に報道陣の前でも披露。「出陣! ウチらしか勝たん!!」との力強いかけ声から「ニン、ニン、ニン」と言い、互いにグータッチを交わしていた。五輪本番に向けても新たな円陣を考えているという。
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来年2月の開幕が迫る中、最年長の平井亜実(28=トヨタ自動車)は「(第2、3戦で)本当にメダルを取れると思っていなかったので、びっくり。それだけすごく力がついているんだなっていうのを肌で感じた。すごくオリンピックも楽しみ」と心待ちにした。
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