<妊婦の地雷>「出産は痛みを知ってこそだよね」と盛り上がるので無痛分娩を隠している。モヤっと…

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2025年12月03日 19:30  ママスタセレクト

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出産は筆舌につくしがたい体験。いつ果てるともなく、とめどなく押し寄せてくる痛み、叫べど悶えど痛みは襲い続けてきます。でも子どもが産まれて顔を見たときの感動は、決して忘れられないのもまた事実。ママにとって出産は、人生の忘れられない一場面でしょう。
『無痛分娩したことを隠している。ママ友と出産の話が出たら、やっぱり自然分娩よねと話に乗っている。本当にあの痛みを知ってこその出産だよねとか、無痛で産む人ってちょっと変わっているのかなと盛り上がる』
無痛分娩をしたことを隠して、「あの痛みを知ってこその出産だ」と話に乗る自分が怖いと投稿者さん。この投稿に、ママたちが反応しました。今や無痛分娩を選ぶ人も増えていますが、いまだに“痛みを経験してこそママ”との考え方も根強く残っているようです。

自然分娩がベスト?そのような話をしたことがない



無痛分娩を隠したい投稿者さんですが、分娩について話したことがないというママたちもいます。
『分娩についてママ友と語り合ったことがない。そのような話題、どういう流れで出るのだろう』
出産はセンシティブな問題です。大っぴらに話す機会は少ないかもしれません。でもママ友と親しくなったとき、出産の話になることも。「うちの子は3人とも帝王切開だった」などの経験談や、また「あそこの病院は無痛分娩をやっている」などとママの情報交換として話題に上ることもあるでしょう。

無痛分娩は特別なことではない


今、無痛分娩は出産の選択肢のひとつ。とくに隠すこともないのでしょう。
『私は50代後半だけれど、無痛分娩がいいと思う。今の時代、わざわざ痛みが強烈な道を選ぶこともないでしょう。体力は残しておいた方がいい』
『5年前の妊婦教室で、無痛分娩をしたママがゲストに呼ばれていた。選んだのは保健師さんで「この辺では珍しいけれど」と言っていた。経産婦ママたちみんなで「痛みが軽減されるなら、その方がいいよね」と言っていた』
投稿者さんのように“隠してしまう”人もいる一方で、「時代が変わった」「気にする必要はない」と背中を押す声も寄せられました。実際に第一子を無痛分娩で出産しているとのママもいました。経験者のママが教えてくれたのは、無痛分娩といっても、完全に痛みがないわけではない場合もあるとのこと。「無痛でも陣痛はあるよ」「麻酔を入れるタイミングは病院によって違う」という体験談もありました。
『陣痛促進剤を打ってのんびりしていたら、急に激痛がきて鉗子分娩になりかけた。分娩時間は30分だったけれど、会陰の痛みは全然なかった』
こちらに対して、会陰切開の傷が5か月も痛かったという人も。無痛分娩には、実はさまざまな状況があるようです。もちろん痛みの有無ではなく、母子が安全に、健康に出産を迎えられることが一番大切です。

地雷を踏みそうな会話…「私の出産はこれでよかった」で良い



無痛分娩は広がりつつありますが、妊娠の状況は人それぞれで違います。みんなが計画的に進むわけではないのです。
『出産方法は個人で決めることだし、どの方法でも出産には違いないよ。産まれた子どもに、分娩方法の違いがわかるような印がついているわけではない。ママ友たち、知識のアップデートができているのかな?』
こちらのママが語ったのは、「出産に優劣なんてない」という当たり前のこと。それなのに、“痛みを経験したママ”を理想とする風潮はいまだ消えていないようです。
『そのような地雷を踏みそうな会話をよくできるね。やっぱり母乳が一番だよね! とか数々やらかしていそう』
『自然分娩や完全母乳だった人も、無痛分娩でも人工乳でも気にしていないと思うよ。それは人それぞれ事情もあるし、好きに選べばいいと考えている。私は「無痛分娩もよかったかも」と思っているところよ』
出産方法は、病院の設備、母体の健康状態、経済的余裕など、さまざまな条件のもとで選ばれるものです。「無痛を選ぶ=楽をしている」という誤解は、もう過去のもの。首都圏では「早めに予約しないと無痛分娩が取れない」というほど人気だとの声もあり、計画的な出産の一形態として定着しつつあります。
お腹を痛めて産むことにこだわる人もいるかもしれません。けれど、痛みが愛情の証ではありません。出産は奇跡です。どのような形であれ、命をこの世に迎える事実に変わりはありません。分娩に優劣はなく、すべての母親が同じように尊い。“痛みを知ってこそ母”という古い神話に縛られるよりも、「私の出産はこれでよかった」と胸を張ってもらいたいものです。とにもかくにも妊娠、出産という大仕事を終えて出会えたわが子。将来、反抗期になってイライラすることもあるでしょう。そのときに、出産の奇跡を思い出して、乗り越えたいものです。



文・岡さきの 編集・佐藤さとな イラスト・カヲルーン

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