大阪府警本部=大阪市中央区 仕入れ不要なパソコンの発注を繰り返し、会社に損害を与えたとして、大阪府警捜査2課は3日、背任容疑で、東芝の子会社「東芝テック」(東京)の元関西支社関西営業部長の田中祐介容疑者(47)=大阪府豊中市庄内東町=を逮捕した。容疑を認めているという。
同課などによると、不正発注によるこれまでの同社の被害総額は約2億3000万円に上る。仕入れたパソコンは買い取り店に売却していたといい、同課は経緯や動機を調べる。
逮捕容疑は昨年5月〜同8月、取引先企業にパソコンを納入するように装い、31台を不正に仕入れ、同社に計約990万円の損害を与えた疑い。
田中容疑者は31台全てを買い取り店に売り、計約680万円の利益を得ていたという。関西地方での営業部門を統括する立場にあったが、昨年12月に不正が発覚し、今年2月に懲戒解雇された。
東芝テックは東証プライム上場で、レジ端末の販売記録などを管理するPOSシステムや複合機の開発などを手掛けている。今年3月期の連結売上高は約5770億円だった。
同社は逮捕を受け、「内部管理体制の一層の強化に努め、ステークホルダーの皆さまからの信頼回復に努める」などとコメントした。