限定公開( 1 )

阪神が4日から、甲子園歴史館で「藤村富美男監督退陣要求書」の一般公開を開始した。
1956年(昭31)11月20日に、当時の阪神監督だった藤村富美男氏に対し、主力の金田正泰氏を中心とした選手らが解任を求めた連判状で、12人の母印が押されている。今年の球団創設90周年に際し、史実に学ぶ意味も込めて初公開に至った。
粟井一夫球団社長(61)は「僕が預かって、連判状を持っていました」と説明。連判状に署名した吉田義男氏が2月、小山正明氏も4月に鬼籍に入り、署名した12人全員が亡くなった。連判状は歴代の球団社長が保管。球団の黒歴史にあたるため、公開には慎重な意見もあったが、三好一彦元球団社長(95)らとも相談し、大事な歴史の一部として決断した。
「(56年)当時は、プロ野球黎明(れいめい)期で、状況的に一体になれなかった。そのようなことを学ぶ、今後の若い人たちにも一緒に考えていただける機会かなと思いました。多少のご批判を受けることは承知で、出させていただきました」。節目の90周年、チームはフロント、監督、選手が一丸となってリーグ制覇を達成。過去の反省も踏まえ、よりよいチームに進化させるための公開だった。今後も恒久的に展示を継続し、事件の背景なども詳しく説明していくという。【伊東大介】
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。