
退職の報告は、タイミングや伝え方が難しいものだ。円満に退社したいと思っても、会社側の対応によっては、最後にひと悶着起きてしまうこともある。
千葉県の50代男性(エンジニア/年収1100万円)は、退職を決意した際、「直接の上司(課長代理)ではなく、部長に報告をしました」という。引き止めはなかったものの
「次にどの様な会社に行くのか?どのような仕事に行くのか?今のままではダメなのか? 質問攻めにあいました」
男性は表向きの理由として、「フィールドエンジニアとして働きたい」「大型の機器を扱ってみたい」「将来的には地方で働きたい」といったキャリアプランを伝えた。当時は内勤で小型機器担当、拠点も都心部にしかなかったため、筋の通った理由だ。(文:篠原みつき)
「良い会社でしたし給与面でもまずまず」それでも退職を選んだ理由
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だが、男性の腹の底には別の思いがあった。
「良い会社でしたし昇格試験もパスして給与面でもまずまずの状態になりましたが、これだけは我慢ができませんでした」
男性は、「本当の理由は課長代理との人間関係です」と明かす。待遇には満足していたが、直属の上司との折り合いが悪かったことが決定打となったようだ。
「怨嗟の矛先は課長代理に向けられ……」
そして退職が決まった後、部長がとった行動が男性を困惑させた。「部長からの私の辞職を職場のメンバーに伝える手段が大問題でした」と振り返る。
それは営業とサービス合わせて30人ほどが集まる年始のグループ会議でのことだった。今年の方針を発表する場でありながら、
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「私は(いつもは真ん中あたりなのに、)最後の発表とされ皆が抱負や現状を語る中、しんがりの私はサヨナラの意思を皆の前で発表する羽目になりました」
新年のめでたい席で、突然の退職発表。場は騒然としたことだろう。男性は「怨嗟の渦で、散々文句を言われましたが」と当時の殺伐とした空気を語る。しかし、そのネガティブな感情は、去り行く男性に向けられたものではなかった。
「部長と課長代理以外、私の辞職の理由を正確に認識していましたので、怨嗟の矛先は課長代理に向けられ、そのままスムーズに辞職する事ができました」
部長としては見せしめのつもりだったのかもしれないが、現場の人間たちは事情をよく理解していたようだ。
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