過去最高売上の7倍へ成長! 赤字ゼロ・若手が集まる城北建設の勢いが止まらないワケ?

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2025年12月06日 20:10  TOKYO FM +

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過去最高売上の7倍へ成長! 赤字ゼロ・若手が集まる城北建設の勢いが止まらないワケ?
TOKYO FMグループの「ミュージックバード」が制作し、全国のコミュニティFMで放送中のラジオ番組「デジタル建設ジャーナル」。建設業界のデジタル化・DXを進めるクラフトバンク株式会社が、全国各地で活躍し、地域を支える建設業の方をゲストにお迎えするインタビュー番組です。一般になかなか伝わりにくい建設業界の物語を全国のリスナーに広めます。

11月30日(日)の放送では、城北建設株式会社に注目。取締役の細谷勇貴さんをゲストにお迎えして、若者が集まり成長出来る仕組み作りや、DX化の取り組みについて伺いました。


(左から)城北建設・取締役 細谷勇貴さん、クラフトバンク・中辻景子



◆熟練技能者を数多く擁する城北建設

今回のゲストは、香川県高松市に拠点を置く城北建設株式会社の取締役、細谷勇貴さんです。城北建設は土木工事や建築工事を中心に、解体工事や修繕工事も手がける会社です。元請けとして施工管理をおこなう一方、建築分野ではとび工事や土工事、コンクリート工事などの躯体(くたい)工事を専門的に担っています。主な営業エリアは香川県および近隣県ですが、東京など遠方での案件にも取り組んでいます。

具体的な施工実績として、香川県内では高松空港やトンネル、ダムといった土木工事に加え、高松駅や県庁、大型ショッピングモール、再開発事業などの建築工事にも携わっています。細谷さんは「駅前をはじめ、目に見えるところをけっこう手がけているのが特徴だと思います」と話します。

社員は46名で、そのうち工事監督が15名。とび工や土工、重機オペレーターなどの職人も多く在籍しており、四国では大規模の会社です。細谷さんは「職人さんも抱え、監督もいるので、自社でしっかり自主管理できる会社です」と、社内の技術力の高さを強調します。

◆社員の資格取得を会社が応援

城北建設は、現社長が30年前に会社を買収してから着実に成長を続け、売上は当時の約7倍に拡大しました。これまで一度も赤字を出すことなく堅実な経営を続けてきたことも大きな特徴で、今年はついに過去最高の売上を更新しています。細谷さんは「リーマンショックのときは本当に厳しい状況でしたが、社員一人ひとりの努力が今の成長を支えています」と振り返り、会社全体で積み重ねてきた成果の大きさを語ります。

また、2025年には現社長が天皇陛下より黄綬褒章(おうじゅほうしょう)を受章しました。これは、長年に渡るとび・土工事業界の発展や地域社会への貢献が高く評価されたものです。細谷さんは「業界全体の底上げを目指し、さまざまな取り組みを続けてきました。全国の同業社のトップ企業とネットワークを築いて活動している点も、当社の強みの一つです」と話し、社長の姿勢が会社の信頼基盤につながっていると説明します。

さらに、城北建設の大きな魅力として挙げられるのが「技術力の高さ」です。四国内の一級コンクリート施工の国家資格保有者の割合は、城北建設の社員が約6割以上を占めるなど、業界内でも群を抜いています。細谷さんは「有名な建築家から施工業者としてご指名いただくこともあり、社員はその誇りを胸に日々の建設に向き合っています」と紹介します。会社としても資格取得を積極的に支援し、知識向上や実践での活用を常に意識しながら取り組んでいるそうです。一級建築士や一級施工管理技士も多数在籍しており、社内の管理力や専門性は非常に高いレベルにあります。

資格取得には高度な知識と経験が求められ、簡単に手に入るものではありません。細谷さんは「当社には一級土木施工管理技士を持つ社員が15人もいます。これは業界内でも大変誇れる数字です」と語り、社員の努力と向上心が城北建設の技術力、ひいては信頼の高さを形成していると強調します。

さらには「技術力の高さに加え、先輩方が後輩を可愛がり、丁寧に“言葉で”指導する文化が根付いています。若者が入れば必ず伸びますよ」と細谷さん。実際に、この半年で10〜20代の若手を多く迎え入れており、しかも大手建設会社での人事経験を活かしたキャリア形成や、育成を見据えた採用も実施しており、城北建設の今後のさらなる発展に期待が高まります。


(左から)城北建設・取締役 細谷勇貴さん、クラフトバンク・中辻景子



◆進行中の現場と人員配置をシステムが管理

城北建設では、デジタル化への取り組みを積極的に進めています。細谷さんによると、現在導入しているシステムは、同社が同時に動かす約30現場の案件管理や人員配置を効率的におこなえるものです。過去の実績も蓄積し、将来の見積もりに活かせる仕組みを構築しています。

従来はExcelなどを用い、個々のキーマンが頭のなかで全体の進捗や工程を管理していました。現在はデジタル化を進めたことで、「その人に聞かなきゃいけなかったことが、今ではシステムにアクセスすれば社員全員がわかります」と細谷さんは話します。この仕組みにより、現場のスケジュールや人員配置が可視化され、業務負荷の軽減や働きやすさの向上にもつながっています。

導入のきっかけは、細谷さんが特定のキーマンへの負荷が大きいことを実感したことでした。「その方に聞かないとわからないことがいろいろありましたし、年休の消化なども含め、業務をもっとシステマティックにできればいいなと考えました」と振り返ります。その後、細谷さんは世の中にあるシステムを調査し、取り入れるに至ったといいます。細谷さんは同世代と比べてもデジタルに明るいと自負しており、自ら率先して推進しています。

◆デジタル技術を若手が先輩へと伝える関係が理想

デジタル化によって期待する効果は、業務効率化だけでなく、働きやすさの向上にもあります。「仕事も大事ですが、プライベートの充実も大切です。働くときはしっかり働き、休むときは休む。そういう会社を目指しています」と細谷さんは語ります。実際、システムを活用すれば、有給取得の計画もスムーズにおこなえるため、社員の生活と仕事のバランスを保つことが可能です。

一方で課題もあります。デジタルに慣れていない社員もいるため、導入には教育やサポートが必要です。そのため、若手社員が年配社員に教えながら全体に浸透させていく形を理想として進めています。細谷さんは「通常業務は先輩から教わるけど、DXは若者が先輩に教える。そうした新たなコミュニケーションが生まれることで、関係性が構築されるきっかけになれば」と話し、笑顔を見せました。

今後の目標について細谷さんは、「成長するには少し背伸びが必要です。今できることだけをやっていては会社は伸びません。大変ですが、みんなで背伸びをしながら会社を伸ばしていきたい」と意欲を見せます。「高みを目指しているときはワクワクしますよね。スポーツのような感覚で、今後も会社を経営していきたいです」と、力強く展望を語ってくれました。

<番組概要>
番組名:デジタル建設ジャーナル
放送日時:毎週日曜日 15:00-15:55
パーソナリティ:中辻景子・田久保彰太




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