
日中関係の緊張が高まる中、中国が「外交戦」を展開しています。
ドイツのワーデフール外相と会談した中国の王毅外相。日本について「現職指導者が台湾を利用してもめ事を起こし、中国を武力で威嚇しようとしている」と批判したうえで、こう主張しました。
王毅外相
「ドイツとは異なり、日本は戦後80年経っても侵略の歴史をまだ十分に反省していない」
中国政府はこれまでも、各国との会談の機会を利用し日本を批判するとともに、中国の正当性を強調する「外交戦」を展開していて、今回もその一環とみられます。
自民党 小野寺五典 安保調査会長
「まずは外交的にしっかり、このような酷いことをされたということを発信して、外交戦でまず勝つということが大事だと思います」
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一方、自民党でも連日「外交戦」への対応について協議がおこなわれていて、きょうも中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射問題について意見が交わされました。
自民党 高木啓 外交部会長
「各国言語での発信はもちろんなんですけども、きちんと要するにエビデンス(証拠)とファクト(事実)を世界に発信をしていくということをより徹底をしていこうと」
きょうの会合では、日本の正当性を主張するため、現場で何が起きていたのかが分かる動画や音声について「公開できるものは公開した方が良い」との意見などが出たということです。
中国軍機によるレーダー照射問題をめぐっては、日中間での主張の食い違いも明らかになりました。
小泉進次郎 防衛大臣
「(中国側は)空母・遼寧の艦載機の訓練海域空域を事前に公表していたと発信をしていますが、遼寧の艦載機等の訓練海空域に関するノータム、これは航空情報とも言いますが、ノータムや航行警報が事前に通報されていたとは認識しておりません」
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「訓練を行う海域や空域は事前に公表していた」として、「緊急発進した自衛隊機が通常の訓練活動を妨げた」と主張する中国側に対し、小泉防衛大臣はきょう、「航空情報や航行警報が事前に通報されていたとは認識していない」と反論しました。
今年度の補正予算案を審議する予算委員会では、日中の緊張関係の高まりが経済に与える影響について、高市総理の見解が問われました。
自民党 柴山昌彦 元文科大臣
「日本のアーティストによる中国でのコンサートが相次いで中止となるなど、経済面への悪影響に対する対応というのは不可欠であると考えておりますけれども、高市総理の見解を伺います」
高市総理
「中国側の一連の措置による影響を含め、状況を注視し適切に対応していきます。 同時に政府としては、従来より様々な国や地域からのインバウンドや、日本発コンテンツの幅広い海外展開を促進していくことが重要と考えておりますので、これからもこうした取り組みをしっかりと進めてまいります」
日中の主張に食い違いがみられる中、日本は世界の理解を得る“外交戦”を展開できるでしょうか?
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