12年の有馬記念はゴールドシップが制した(12年12月撮影、ユーザー提供:ポメラニアンさん) 今年の有馬記念には皐月賞馬のミュージアムマイルが参戦する。これまで皐月賞と有馬記念を同年に制した馬は76年トウショウボーイ、84年シンボリルドルフ、94年ナリタブライアン、10年ヴィクトワールピサ、11年オルフェーヴル、12年ゴールドシップ、21年エフフォーリアの7頭。今回はその中から3年連続の同年制覇となった10年〜12年の3回を振り返る。
1年目の10年はハナ差の大激戦だった。絶好の最内1番枠からロスなく運んだヴィクトワールピサが、早め進出から押し切りを図る。そこに迫ったのが伏兵のトゥザグローリー、そして1番人気のブエナビスタだった。最後はM.デムーロ騎手のヴィクトワールピサとC.スミヨン騎手のブエナビスタが鼻面を合わせてゴールしたが、写真判定の結果、僅かにハナ差でヴィクトワールピサが勝利。皐月賞を制した後、日本ダービーが3着、ニエル賞が4着、凱旋門賞が7着、ジャパンCが3着と悔しいレースが続いたが、ここで2つ目のビッグタイトル獲得となった。
続く11年は三冠馬のオルフェーヴルが古馬を撃破した。後方待機から徐々にポジションを上げると、直線の追い比べからグイッとひと伸び。エイシンフラッシュやトゥザグローリーの2着争いを尻目に、3/4馬身の着差以上の完勝だった。一方、これがラストランだった2番人気のブエナビスタは7着。2強対決と目されていたが、明暗がくっきり分かれる形となった。
そして12年は「白い怪物」ゴールドシップが豪快な追い込みを決めた。出遅れて後方からの競馬となったが、内田博幸騎手に焦りはなかった。勝負所でジワッとエンジンをかけて直線勝負。メンバー中最速となる上がり3F34秒9の末脚を繰り出し、皐月賞と菊花賞に続くGI・3勝目を手にしたのだった。
さて、今年のミュージアムマイルは偉大な先輩たちに続けるだろうか。思い出の中山で並み居る古馬を下し、待望のGI・2勝目となることを期待したい。