
<Softbankウインターカップ2025全国高校バスケットボール選手権:桜花学園96−56柴田学園>◇24日◇男子1回戦・女子2回戦◇東京体育館
女子は一関学院(岩手)が奈良文化に72−69で勝利。延長戦にもつれ込んだ接戦を制し、岩手県勢の女子では27年ぶり、同校初の3回戦進出を決めた。柴田学園大柴田学園(青森)は第1シードの桜花学園(愛知)に敗れたものの、元Bリーガーを父に持つ波多野陽南主将(3年)が、チーム最多の18得点と気を吐いた。福島東稜は埼玉栄に勝ち、湯沢翔北(秋田)帝京安積(福島)は敗退。男子・秋田工は初戦で姿を消した。
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最後まで笑顔でコートに立ち続けた。柴田学園・波多野は「悔いはありません」とすがすがしい表情で振り返った。優勝候補を前に、前半は28点差、第3クオーター(Q)終了時点で42点差と、常に追いかける展開が続いた。堅実な守備に苦しみ、普段はないパスミスなども生まれた。「桜花(学園)さんのパワーだったりスピードに負けてしまい、ディフェンス力も強くて苦しみました」。圧倒的な力を見せつけられた。
それでも、諦めなかった。第2Q残り5分23秒から波多野が6連続得点。第4Qでは、果敢に攻め入り、ファウルを誘うなど、粘りを見せた。チーム最多の18得点。身長180センチの身体能力の高さを全国の舞台で示し、「やってきたことが少しは出せたと思います」とうなずいた。
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目標の選手はいつでもそばにいた。父和也さん(43)は元Bリーガー、母五月さんもWリーグでプレーし、両親ともにU18日本代表歴を持つ。「父を超えられる存在になりたい」。描いてきた夢をかなえるべく、両親の母校でもある専大への進学を希望している。「日本代表に選ばれるような選手になるために、まずは学生の代表を目指したいです」と力強く口にした。
あっという間の3年間だった。地元静岡から、本州最北端の青森の高校を選んだ波多野。入学当初はホームシック状態に陥り、方言の違いにも悩んだ。「当時は毎日泣いていました」。それでも、日を重ねるごとに、気持ちは変わっていった。「このチームメートともっと一緒にバスケがしたい」。気づけば家族のような存在になっていた。最後は全国の地で、笑顔で終えられた。“家族″との思い出を胸に、新天地へと飛び立つ。
◆波多野和也(はたの・かずや)1982年4月19日生まれ、ブラジル出身。ブラジル人の母を持ち、小3までを同国で過ごした。永田中(神奈川)、静岡学園、専大を経て、05年にプロ入り。大阪−埼玉−滋賀−大分−島根−大分−滋賀−琉球−島根−福岡でプレーし、19年に引退。現役時代は192センチ、95キロ。
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