グループインタビューに答える経団連の筒井義信会長=2025年12月25日、東京都千代田区 経団連の筒井義信会長は時事通信などのインタビューに応じ、2026年の国内景気について「緩やかな上昇軌道に向かう」と予想した。ただ、外国為替市場で進む円安に関しては「為替は国力の反映でもある」と警戒感を示し、政府・日銀の政策対応を促した。
筒井氏は、円安は輸出企業の収益を拡大させるなど「良い面が強調されがちだ」としつつ、国力を考えれば「円高方向に修正していく方が将来的に良い」と指摘。その上で「急激な変動だけでなく、じりじりと円安に向かうのも好ましくない」との見方を示した。
賃金動向に関しては、「ここ3年ほど引き上げのモメンタム(勢い)は力強いが、食料品中心の物価高で実質(賃金は)プラスに反転していない」と振り返った。26年は、物価の落ち着きに伴って実質賃金がプラスに転換する公算が大きいと予想し、「賃上げの勢いを定着させる先導役を果たしていく」と強調した。
「責任ある積極財政」を掲げる高市政権に対しては、「強い経済の構築」に期待を示した。その一方で、「財政健全化にどう取り組むのか、具体的に繰り返し発信することが重要だ」と語り、市場との対話を徹底するよう求めた。

グループインタビューに答える経団連の筒井義信会長=2025年12月25日、東京都千代田区