
<第102回箱根駅伝>◇3日◇復路◇箱根−東京(5区間109・6キロ)
青学大が、史上初の同一チーム2度目の3連覇を達成した。昨年の優勝タイムを3分45秒更新する10時間37分34秒の大会新記録で9度目の総合優勝。2日の往路新に続き、昨年の復路記録も1分52秒更新して優勝した。復路は一度も首位を譲らず、総合2位の国学院大に2分33秒差で逃げ切った。「優勝確率0%」と呼ばれた世代が逆境を乗り越え、原晋監督(58)の「輝け大作戦」を成功させ、新たな歴史に名を刻んだ。
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青学大のフレッシュグリーンのタスキが1番星となって、東京・大手町のゴールに帰ってきた。最終10区の折田壮太(2年)が快挙のゴールテープに近づくと、主将の黒田朝日(4年)の目から涙がこぼれ落ちた。「今日勝てて、ここまでやってきて良かった」。
新チーム発足後は原監督から「優勝確率0%」と厳しい現実を突きつけられた。昨年2連覇メンバーの太田蒼生(GMOインターネットグループ)、野村昭夢(住友電工)ら主力6選手が卒業。11年で8度の箱根優勝を誇る絶対的王者は陥落の危機を迎えていた。
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新チームは監督の言葉に一念発起した。最初に取り組んだのは寮の部屋清掃。きっかけは9区区間賞となった寮長の佐藤有一(4年)が黒田の部屋をのぞいた時だった。机に置かれた本の向き、ゴミも1つもない。整然とした部屋に佐藤有は「こういうところが競技力につながると思って全員に呼びかけた」。
ほかにも午後10時の寮の門限やスケジュールの1分1秒の遅刻も指摘し合い、チームの一体感を育んできた。8区区間新をマークした塩出翔太(4年)も「レース終わった後に帰ってきた時も睡眠しやすくなった」と実感を込める。日々の練習やレースで高い集中力の発揮につながっていた。
今季の大学3大駅伝の出雲、全日本は無冠に終わったが、11月のハーフ、トラックレースでは自己ベストが続出。黒田を含め5選手が1万メートル27分台をマークするなど成績も上昇した。
原監督が第一に掲げる「学生主体の運営」で選手自身も自信を深めた。原監督は「箱根駅伝の目標に真摯(しんし)に向き合い、キャプテンや寮長を中心に一体感が出ていた」とも振り返る。さらに「俺が青学を勝たせる」と監督と選手の勝利への一体感も増した。
昨年2月に悪性リンパ腫で亡くなった同学年の皆渡星七(みなわたり・せな)さんの思いも背負い、レースは徳澄遼仁主務(4年)の提案で、7つの星マークを記したタスキをつないだ。「本当に信頼できる同期たちに恵まれてよかった」と黒田。往復217・1キロのドラマで最も輝いたのは今年も青学大だった。【泉光太郎】
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