イヤフォン連携&文字起こし無料! 無線機能を省いて物理ボタン搭載の異色AIレコーダー「HiDock P1」実機レビュー

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2026年01月04日 06:10  ITmedia PC USER

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AIボイスレコーダー「HiDock P1」。写真のスペースグレーに加え、スターホワイトカラーも用意される

 オーディオ関連のハードウェア製品を開発するHiDockが、2025年11月に世界初をうたうBluetoothイヤフォン対応のAIボイスレコーダー「HiDock P1」の国内販売を開始した。価格は2万6800円だ。


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 HiDock自体は、これまでも日本でChatGPT連携のAIオーディオドック「HiDock H1」などを販売していたが、HiDock P1の発売に合わせて日本市場パートナーのEZLIFEと共に日本市場に本格参入する。


●物理ボタンと「有線転送」に割り切ったユニークな仕様


 HiDock P1は、2025年3月にKickstarterでクラウドファンディングを実施していた製品で、6月からはMakuakeでも先行予約を行っており、ようやく一般販売が開始された形だ。


 昨今、AIボイスレコーダーといえば、スマートフォンに貼り付ける「カード型」が主流になりつつある。しかし、HiDock P1はそのどちらでもなく、物理ボタンやダイヤルを備えた、一見すると一般的なICレコーダーのような外観をしているのが特徴だ。


 本体サイズは約126(幅)×38(奥行き)×15.8(厚さ)mm、重量は約72gと片手で持てる。表面にはダイヤルや各種ボタンを備え、上部にはマイクとスピーカー、底部にUSB Type-Cポートがある。


 背面はマグネット仕様になっており、付属の金属プレートを使用することで、ノートPCの天板などにも固定できる。


 バッテリー容量は600mAhで、単体で最大8時間の連続録音が可能だ(1回の録音は最大4時間まで)。また、64GBのストレージを搭載しており、1000時間以上の録音が行えるとしている。


 よくあるAIボイスレコーダーは録音データをBluetoothやWi-Fiで転送するが、HiDock P1はそもそも無線接続に対応しておらず、データ転送は全てUSB経由で行う。スマートフォンとの同期も有線で行わなければならないのは手間に感じるが、セキュリティ上の理由などで無線接続が制限されている環境でも使用できるのはメリットだ。


●3つの録音モードを搭載


 HiDock P1は、以下の3つの録音モードに対応している。


・対面モード: 本体のマイクで周囲の音を録音するモード


・つぶやきモード: マイクを口元に近づけ、音声メモとして使用するモード


・通話モード: Bluetoothイヤフォンを接続し、Web会議や通話を録音するモード


 対面モードは、一般的なAIボイスレコーダーと同様、本体に内蔵のマイクで周囲の音を録音するモードだ。カード型に比べて本体サイズに余裕があるため、φ6(6ファイ/約6mm)と大きめのデュアルEMCマイクを内蔵しており、録音品質は良好だ。本体下部のHiDockボタン(チェックマークのボタン)を押して録音/停止を行える。


 つぶやきモードは、思いついたことをサッと録音するモードだ。ダイヤルボタンを押している間だけ録音ができる。ただし、HiDock P1を手に持っている状況というのはそれほど多くなく、現実的にはスマートフォンやスマートウォッチで録音してしまうのではないかと思う。このため、あまり出番はないモードだろう。


 通話モードは、HiDock P1の最も特徴的なモードだ。HiDock P1をPCにUSB接続し、BluetoothイヤフォンをHiDock P1とペアリングできる。HiDock独自の「BlueCatch」技術を使用しており、ボタン1つでBluetoothイヤフォンの接続や解除を行える。なお、PCからは「USBオーディオデバイス」として認識される。


 これにより、ユーザーが使用しているワイヤレスイヤフォンやヘッドセットを用いて、双方の音声を録音することが可能となる。PC側のソフトウェアに依存せず、ハードウェア側で音声をキャプチャする仕組みだ。


 また、マルチポイント接続対応のイヤフォンであれば、スマートフォンとHiDock P1に接続設定をしておくことで、PCを選ばず、HiDock P1を接続するだけでイヤフォンが利用可能となる。


 この他、ダイヤルボタンをダブルクリックすると、単体で録音した音声の再生を行えるが、単に再生できるというだけで使い勝手がいいとは言いづらい。PCやスマートフォンに取り込んでから確認するのが現実的だ。


●付属ケーブルによる操作が可能 文字起こし機能は?


 ノートPCの天板にHiDock P1を設置した場合、手元から本体ボタンの操作がしにくくなる。これに対応するため、付属のUSBケーブルにはタッチセンサーが内蔵されている。


 ケーブルのコネクター付近をタッチすることで録音の開始/停止が可能で、LEDインジケーターにより録音状態を確認できる仕様となっている。


 録音したデータは、PCと接続して専用のWebサービス「HiNotes」にアップロードすることで、文字起こしやAI要約を行える。スマートフォン向けのアプリもβ版として提供されているが、こちらの場合も有線接続が必要だ。


 文字起こしの精度に関しては、他のAIボイスレコーダーと同等だ。正直なところ、文字起こしという部分では、各製品の差はなくなっている。専門用語などがある場合は、事前に辞書登録しておくことも可能だ。


 HiDock P1の大きな特徴として、文字起こしが無料ということが挙げられる。他のAIボイスレコーダーでは、月ごとに文字起こしができる時間が制限されており、超過して利用する場合には有料のサブスクリプションが必要になる場合がほとんどだ。しかし、HiDock P1の購入者であれば、時間無制限で文字起こしを行える。ランニングコストを考えると、これは大きなアドバンテージと言っていいだろう。


 ただし、文字起こしは無制限だが、機能的にはいくつか制限もある。例えば、無料プランのユーザーは文字起こしで話者の識別を行えない。また、NotionやGoogle ドキュメント、Microsoft OneNoteなどの外部サービス連携もサブスクリプションユーザーのみの機能となっている。


 また、文字起こし後の要約機能が各社の差別化が進んでいる部分だが、無料ユーザーの場合は利用できるテンプレートが8種類となっている。有料のプロプランでは30種類以上を利用可能だ。要約に使用するAIモデルは、無料ユーザーでも「Claude Opus 4.1」「GPT-4.1」「GPT-5」「Gemini 3.0 Pro」を選択できる。


 逆にいうと、とりあえず文字起こしが出来ればいいという場合には無料プランでも構わないだろう。なお、無料プランでも月300分まではプロプランを利用可能だ。


●ビジネスパーソンには強力な「AIアシスタント」


 HiDock P1は、AIボイスレコーダーの基本機能となる「文字起こし」の精度を支える高音質マイクと、オンライン会議などで真価を発揮する「BlueCatch」技術による通話録音機能が融合した、新機軸のデバイスだ。


 特に、文字起こしが無料で無制限に利用できる点、そしてOpenAIのGPT-5などの最新AIモデルによる要約機能は、議事録作成の効率化を求めるビジネスパーソンにとって、強力な「AIアシスタント」となるだろう。



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