
SOMPOホールディングスは国内グループ会社に所属する約3万人の従業員を対象にAIエージェントツール「SOMPO AIエージェント」の導入を開始すると公表した。グループ全体の業務効率化と生産性向上を最大化することを目的とし、AIを業務の前提条件とする新たな働き方に移行するための中核施策として位置付けられている。
●全従業員参加型の実証実験の狙い
同社は2016年にデジタル分野の専門組織を立ち上げて以降、DX戦略を推進してきた。生成AI分野において、グループ専用の汎用型AIを独自に構築し、日常業務での活用を広げてきた実績を持つ。各事業領域でも、専門知識を学習させた業務特化型AIの開発が進められており、これまでの取り組みが今回の全社展開の基盤となっている。
生成AIの進展により、業務処理能力だけでなく、従業員の発想力や企画力を高める可能性が拡大している。同社はこの技術環境の変化を単なる効率化の手段ではなく、ビジネス構造を刷新する契機と捉えている。AIを補助的なツールとして扱う段階から脱し、業務プロセスそのものを再設計することで、競争力の向上を狙う。
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導入されるAIエージェントは、社内文書の検索や要点整理、調査支援、会議記録作成、分析支援など幅広い業務を担う想定だ。加えて、保険事業を中心とした同社固有の業務知識や手順を反映させることで、実務のパートナーにすることを想定。国内損害保険事業における事業費率目標の達成を後押しするなど、経営指標への寄与も期待されている。
本格展開に先立ち、2026年1月から実証実験が実施される。Google Cloudの企業向けAIエージェントプラットフォーム「Gemini Enterprise」を主要ツールとして活用し、持株会社および中核事業会社を含む国内グループ全体で導入の効果を検証する。業務自動化の範囲や活用事例の創出、社内データと連動した独自AIの実装可能性などを検証対象とし、新たな業務像を具体化する。
併せて、人材育成面の施策も強化される。マネジャー層にはAIエージェントを活用した変革を主導できるよう、専用研修の受講を必須とする方針が示された。今後は実証結果を踏まえ、全社的なAI活用を段階的に拡大し、創出された余力を顧客価値の向上や新規事業の創出に振ることで持続的な成長モデルの確立を目指す。
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