
昨年11月26日、初のウクライナ人大関が誕生し角界が沸いた。
所用14場所という史上最速のスピードで大関となった安青錦(21=安治川部屋)には、今後の活躍も大いに期待できるだろう。ニューヒーロー誕生を予感させるニュースだが、相撲界にはこれまでにもさまざまな“ヒーロー”が存在している。
そこで、全国の男女500人を対象に、『私の心に残る“昭和・平成・令和のおすもうさん”ベスト10』についてアンケートを取った。
角界の「技のデパート」と「黄金の左手」
第10位はモンゴル人横綱・朝青龍だ。
年間6場所完全制覇を成し遂げるなどの大記録を打ち立てたが、印象に残ったのはケガで巡業を休業中に「モンゴルでサッカーをしていた」姿。圧倒的な強さと、報じられる“ヤンチャさ”がファンから愛されているようだ。
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「モンゴルでサッカーをしている写真が印象的」(兵庫県・60歳女性)
「ニュースなどでよく聞いたから」(北海道・37歳女性)
第8位には初代・若乃花 幹士と白鵬が同立でランクイン。
初代・若乃花を「子どものころのヒーロー」と懐かしむ声が上がり、その強さに憧れた人が多かったことが伺える。白鵬については「態度が悪かった」「いろいろと悪いことを言われていた」と悪評があったことを指摘しつつも、63連勝(1場所15日制・年6場所制)という驚異的な記録をもつだけに「とにかく強い」と圧倒的な強さでねじ伏せてきた姿勢を評価する声も。“強さこそ正義”ということだろう。
「子供の頃、勝負強さにヒーロー感を覚えた(若乃花 幹士)」(千葉県・73歳男性)
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「絶対的な強さがあった(白鵬)」(埼玉県・36歳男性)
第6位には小柄ながら小結まで昇進した舞の海と、第54代横綱・輪島が同数で並んだ。
171cm・96kgという小さな体の舞の海が、大きな相手に立ち回る様に思わず応援した人も多いのではないだろうか。中でも当時の体重差174kgもあった小錦戦での白星はまさに小よく大を制す歴史的な一番となり、相撲ファンを沸かせた。また多彩な技を繰り返すため「技のデパート」との異名を持つ。
輪島についてはなんと言ってもその「黄金の左手」から繰り出される投げ技を挙げる声が多い。不利とされる下手投げで14回もの優勝を果たした功績は、後世まで語り継がれるだろう。
「小さい体で多彩な技を繰り出し、大きい相手に勝っている姿が格好良かった(舞の海)」(京都府・48歳男性)
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「黄金の左手(輪島)」(愛知県・73歳女性)
「心技体そろっていた」横綱
第5位は“若貴兄弟”のお兄ちゃんこと、若乃花 勝だ。
横綱に上り詰めた強さはもちろんのこと、やはり「若貴兄弟の出現」に言及する声が多い。相撲に興味がなかった層も取り込んだのは、紛れもなく若乃花と貴乃花の功績だろう。とくに若乃花はその愛嬌あふれるキャラクターで、引退後も人気を集めている。
「土俵際での強さがあったから」(北海道・55歳男性)
「それまで相撲に全然興味がなかったのが若貴兄弟の出現で相撲のとりこになった」(神奈川県・83歳女性)
第4位は、史上最年少となる21歳2か月で横綱に昇進した・北の湖。
新三役からわずか6場所で横綱に昇進、幕内優勝24回と凄まじい強さを誇った北の湖には「憎らしくなるほど強い」との評価が相次いだ。強さとその太々しい表情も相まって“ヒール(悪役)”となるも、他の追随を許さない圧倒的な強さは今もなお多くの人に支持されている。
「憎らしくなるほど強すぎて、自分の知る中では最強の力士」(東京都・62歳女性)
「憎まれ役で気の毒だったけど、とにかく強かったねえ」(兵庫県・71歳男性)
第3位は、昭和30〜40年代にかけて絶大な人気を誇った横綱・大鵬だ。
強さだけでなく、品格も備えた人柄とその甘いマスクに当時の日本は熱狂。アンケートにも「心技体そろっていた」「品位がある」「人柄がいい」と褒め称えるコメントが並んでいる。また、当時の子どもが好きなものを3つ並べた「巨人・大鵬・卵焼き」という言葉が大流行。大鵬がいかに国民のスターであったかがよくわかるエピソードだ。
「強かったし、強いだけではなく品位があったと思う」(福島県・72歳男性)
「心技体共にそろった横綱であったから」(東京都・80歳男性)
「人柄もよく強い横綱で、“巨人、大鵬、卵焼き”と言われていた」(秋田県・66歳女性)
1位は「筋骨隆々」なあの力士
第2位は兄・若乃花 勝と共に史上初の兄弟横綱となった貴乃花 光司だ。
兄とともに“若貴ブーム”を巻き起こし、当時の相撲人気を牽引した貴乃花。2001年夏場所の千秋楽、右膝を亜脱臼しながらも武蔵丸との横綱対決を経て優勝を勝ち取ったシーンは多くの人々の記憶に残っているはずだ。勝利を決めた瞬間の表情は“鬼の形相”と言われ現在でも語り継がれている。また、表彰式での小泉純一郎首相(当時)の「痛みに耐えてよく頑張った。感動した!」という発言が記憶に残っている人も多いのではないだろうか。
「怪我を抱えて挑んだ優勝決定戦で優勝をつかんだので」(宮城県・56歳女性)
「当時の相撲人気をけん引していたから」(埼玉県・45歳男性)
「相撲人気の再来に貢献した」(東京都・65歳男性)
そして第1位に輝いたのは、“ウルフ”の愛称で角界を背負った横綱・千代の富士。
千代の富士を挙げたコメントには「小柄」であることに言及するものが多く、小さな体で大きな力士相手に勝ちを重ねる姿に熱狂した人が多いようだ。
31回の優勝(歴代3位)、連勝記録は53(歴代3位)、通算白星1045勝(歴代3位)と、輝かしい記録を持っている。
また、他の力士とは一線を画す筋肉質な体格を評価する声も。「筋肉で鎧をつけたよう」「筋骨隆々でかっこよかった」と、美しい肉体美に賛辞が集まった。
「小さい体で大きな関取を投げるのがすごかった」(東京都・55歳男性)
「小さい体で前まわしを取ったら一気に勝負を決める速い相撲、本当にウルフだ」(北海道・71歳男性)
「今までのお相撲さんのイメージを変える体型と技の数々」(広島県・65歳男性)
角界を彩ってきた多種多様な魅力ある“おすもうさん”たち。2026年1月11日から東京・両国国技館で初場所が始まるが、新たに誕生した大関・安青錦の活躍と共にさらなる次世代のスターが現れるかどうか、楽しみにしたい。
全国の15歳以上99歳以下の男女500人を対象に実施した「昭和・平成・令和のおすもうさん」ランキング
1位:千代の富士 180票
2位:貴乃花 光司 61票
3位:大鵬 57票
4位:北の湖 14票
5位:若乃花 勝 11票
6位:舞の海 9票
6位:輪島 9票
8位:初代若乃花 幹士 8票
8位:白鵬 8票
10位:朝青龍 7票
※インターネットアンケートサイト「Freeasy」にて12月中旬、全国の男女500人を対象に実施
