【日経新春杯予想】AIは堅めの決着を示唆? 強調材料が多い一頭を素直に信頼

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2026年01月14日 20:30  netkeiba

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ヤマニンブークリエ(撮影:下野雄規)
【文・構成:伊吹雅也(競馬評論家)=コラム『究極のAI予想!』】

netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

◆どちらかと言えば堅めの決着が目立っている

AIマスターM(以下、M) 先週はフェアリーSが行われ、単勝オッズ11.0倍(5番人気)のブラックチャリスが優勝を果たしました。

伊吹 鞍上の津村明秀騎手は中山金杯に続く2週連続の重賞制覇。恐れ入りましたと言うほかありませんね。8枠15番からのスタートだったものの、序盤から積極的に押し上げていき、ハナを切ったレオアジャイル(3着)らが形成していた先団のすぐ後ろ、単独5番手のポジションで向正面へ。4コーナーでマカレイ(4着)がレオアジャイルを捕らえにかかると、これについて行く形で先頭との差を詰め、ゴール前の直線に入っています。そのまま先行した各馬との追い比べになり、決勝線手前の急坂でマカレイをかわすと、最後は内ラチ沿いで粘ったレオアジャイル、インコースを突いて伸びたビッグカレンルーフ(2着)と並んで入線。結局クビ差だけ先着を果たしました。展開に恵まれた部分もあったとはいえ、それを活かすことができたのは、ブラックチャリス自身に十分な競走能力があったからこそ。強い競馬だったと言って良いでしょう。

M ブラックチャリスは通算4戦目で重賞初制覇。函館芝1200mのデビュー戦でレコード勝ちを果たし、2走前の函館2歳S(2着)や前走のファンタジーS(4着)でも善戦していましたが、距離適性を不安視する向きもあった馬です。

伊吹 最終的な出走メンバー16頭のうち、重賞で連対を果たした実績があったのはこのブラックチャリスのみで、出走した経験があるのもサンアントワーヌ・トワニ・ブラックチャリスの3頭だけ。この状況でも単勝オッズが10倍を超えたわけですから、1600m以上のレースは合わないと考えていた方が相当に多かったのだと思います。もっとも、前回の当コラムで私が指摘した通り、近年のフェアリーSは父か母の父にキングカメハメハ系種牡馬を持つ馬が優勢。この条件をクリアしているブラックチャリスは絶好の狙い目でしたね。

M 重賞ウイナーとなった今後は、これまで以上に注目が集まるのではないでしょうか。

伊吹 母のゴールドチャリスは現役時代に中京2歳Sを勝っている馬。当時は12月に施行されていた芝1200mのオープン特別でしたから、血統的にも早い時期の短距離戦は合っているようです。陣営のコメントを見る限り、中長距離のレースに挑戦する可能性はほとんどなさそうですが、桜花賞路線やその後の短距離路線においては目を離せない存在。これまでのレースぶりをしっかり復習して、次の狙い時を見極めたいと思います。

M 今週の日曜京都メインレースは、古馬中長距離路線の精鋭が集う注目のハンデキャップ競走、日経新春杯。昨年は単勝オッズ7.2倍(4番人気)のロードデルレイが優勝を果たしました。なお、その2025年は単勝オッズ5.5倍(3番人気)のショウナンラプンタが2着に、単勝オッズ15.0倍(7番人気)のマイネルエンペラーが3着に食い込み、3連単4万4500円の決着。混戦模様となりやすく、難しいレースという印象を持っている方が多いかもしれません。

伊吹 過去10年の日経新春杯における3連単の配当を振り返ってみると、平均値は13万1250円なのですが、中央値はわずか3万1925円。2021年に96万1790円の高額配当が飛び出している一方で、5万円未満の決着が7回、2万円未満の決着が4回あります。

M 過去10年の単勝人気順別成績を見ると、上位人気グループの馬たちがそれなりに健闘している印象です。

伊吹 より実態に即した区切り方をすると、単勝2番人気から4番人気の馬は2016年以降[5-4-6-15](3着内率50.0%)、単勝5番人気から単勝7番人気の馬は2016年以降[1-2-2-25](3着内率16.7%)、単勝8番人気以下の馬は2016年以降[0-2-2-70](3着内率5.4%)となっていました。超人気薄の馬が上位に食い込んだ例は少ないので、手を広げ過ぎてしまわないよう心掛けるべきでしょう。

M そんな日経新春杯でAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、ヤマニンブークリエです。

伊吹 話の流れ的にもちょうど良いところを挙げてきましたね。今回のメンバー構成ならかなりの支持が集まりそう。

M ヤマニンブークリエはキャリア9戦の4歳馬。前走の菊花賞は16着に敗れてしまったものの、2走前のセントライト記念で勝ち馬ミュージアムマイルと3/4馬身差の2着に食い込んでいます。他の明け4歳勢やキャリアの浅い5歳馬とともに上位人気グループを形成するのではないでしょうか。

伊吹 ハンデキャップ競走であるにもかかわらずAiエスケープがこの馬を挙げてきたわけですから、今回は妙味ある伏兵が見当たらないと見ている模様。堅めの決着をイメージしておいた方が良いかもしれませんね。これを踏まえたうえで、好走馬の傾向とヤマニンブークリエのプロフィールを見比べていきたいと思います。

M 最大のポイントはどのあたりですか?

伊吹 まずは馬格をひと通りチェックしておきたいところ。2020年以降の3着以内馬18頭中13頭は、前走の馬体重が480kg以上でした。

M なるほど。小柄な馬は疑ってかかるべきでしょうね。

伊吹 ちなみに、前走の馬体重が480kg未満、かつ父がディープインパクト系種牡馬でもロベルト系種牡馬でもない馬は2020年以降[0-0-0-20](3着内率0.0%)と3着以内なし。この条件に引っ掛かっている馬は、思い切って評価を下げた方が良いと思います。

M ヤマニンブークリエは前走の馬体重が516kg。馬格に不安はありません。

伊吹 あとは馬齢も重視したいファクターのひとつ。同じく2020年以降の3着以内馬18頭中14頭は、5歳以下の比較的若い馬でした。

M 高齢馬は過信禁物、と。

伊吹 なお、馬齢が6歳以上だったにもかかわらず3着以内となった4頭のうち3頭は、前走の着順が4着以内、かつ前走の距離が2000m超だった馬。大敗直後の高齢馬や、2000m以下のレースをステップに臨む高齢馬は、上位に食い込む可能性が低いと見て良さそうです。

M こちらも明け4歳のヤマニンブークリエにとっては心強い傾向。強調材料のひとつと言えるのではないでしょうか。

伊吹 さらに、同じく2020年以降の3着以内馬18頭中15頭は、前年以降に中央場所、かつ13頭立て以上のレースで連対を果たしていました。

M はっきりと明暗が分かれていますね。

伊吹 この条件をクリアしていなかったにもかかわらず3着以内となった3頭は、いずれも“前年以降の、JRAの、GIのレース”において5着以内となった経験があった馬。ビッグレースで善戦した実績のある馬でない限り、ローカルのレースや少頭数のレースを主戦場としてきた馬は、扱いに注意するべきでしょう。

M ヤマニンブークリエは2着となった2走前のセントライト記念が12頭立てで、1着となった3走前の町田特別も9頭立ての少頭数。厳密に言うと5走前のレースでこの条件をクリアしているのですが、そのレースは3歳1勝クラスの平場、かつ阪神ダート1800mが舞台だったんですよね。

伊吹 改めてヤマニンブークリエの戦績を振り返ってみると、芝、かつ13頭立て以上のレースでは一度も連対できていません。今回も少頭数になりそうですが、好走馬の傾向を考えるとこの点は不安要素と見るべきかも。正直なところ、私は他の馬を中心とした買い目で勝負するつもりでした。ただ、強調材料が比較的多い馬ではありますし、他ならぬAiエスケープが有力と見ているわけですから、無理に嫌う必要はないはず。しっかり押さえておきたいと思います。

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